2015年07月05日

オートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)

オートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)

 今年10月に医療事故調査制度が始まります。『予期しなかった死亡』について、病院・診療所を問わず報告の義務が生じます。死因究明の方法としてのオートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)をまとめてみました。
 オートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)とは、「Autopsy=検死」、「imaging=画像診断」という造語で、画像診断によって死因を検証するというもの。略語として「Ai」と称される。コンピュータ断層撮影(CT)や核磁気共鳴画像法(MRI)などによって撮影された死後画像(Postmortem Imaging = PMI)により、死体にどのような器質病変を生じているのかを診断することによって、死亡時の病態把握、死因の究明などを行うシステムである。
 特にERなどでは、以前から死因が体表からではわからない症例に対して、正確な死亡診断書・死体検案書を作成するためにAiを活用するようになっている。救急搬送される症例には、自宅での服毒自殺や幼児虐待などの外因死の可能性がある症例が含まれる。体表の情報からこれらを判断するには限界があるが、Aiを取り入れることにより正確な判断が可能になり、外因死などが疑われる場合には、所轄の警察署へ検視依頼を行っている。
 今の日本においては極く少数の例にしか適用されていない「死亡時医学検索」がシステムとして確立されれば、医療の質を高める上で大いに寄与するものとなる。
 また、2005年時点での日本国内のCT普及率は人口100万人あたり92.6台、MRIは35.3台と国際的な平均値の6 - 7倍と格段に多い数値(OECD調べ)であり、日本国内の環境そのものは十二分に整備されている。

Aiを理解するための7×7のステップ 医師・作家 海堂尊 先生
『現在の日本社会の宿痾のひとつ、「死因不明社会」という病は、現存の解剖制度を土台とした死因究明制度の下で発症している。したがってその病因は解剖制度そのものに内在しており、従来の解剖制度のマイナーチェンジや多少の充実では、根治しない。 医療が死因不明社会を治療するための新薬の処方箋、それが「Aiの社会導入」である。』
http://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/reading/proposal/proposal_91.php

「できることから始めました。−市中病院の試行錯誤の3年間−」千曲中央病院 宮林 千春先生
『救急Aiについては、多くの施設でされているとおり、救急医療の延長でAiが施行され、死に至った病態、原因を遺族に告げられることが多い。その費用を誰が負担するか。救急医療の延長であることを理由に保険請求をしている施設もあれば、院長の一声で持ち出しにしている施設もある。救急医が現場で苦悩するAiの費用負担を保険請求することが社会問題になるのであれば、それはそれで正面から費用負担に関する議論をする絶好の機会である。』
http://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/reading/proposal/proposal_92.php
           
posted by かさまつまさのり at 06:14| 日記

2015年06月27日

HPVワクチン関連神経免疫症候群(Human Papillomavirus (HPV) Vaccination Associated with Neuro-immunopathicSyndrome :HANS)

HPVワクチン関連神経免疫症候群(Human Papillomavirus (HPV) Vaccination Associated with Neuro-immunopathicSyndrome :HANS)
一般財団法人難病治療研究振興財団 より
http://jmrf-nanbyou.org/pdf/news_vol3_1.pdf
 HANSは、一昨年末より線維筋痛症外来に若年性線維筋痛症と診断されて紹介を受け受診する少女達の一部に、HPVワクチンを接種した後に若年性線維筋痛症の症状の他にFMではみられない下垂体異常、中枢神経異常、ホルモン異常などの多彩な症状が出現している患者様がいたことから、本財団の調査研究チームが昨年6月にモスクワで開催された国際学会で提唱した全く新しい疾患概念です。
 多くの医療機関では、HPVワクチン接種後の副反応であるにも関わらず、厚生労働省が定義している接種後30日以内発症という縛りに捉われて、患者様がHPVワクチン接種との関係を訴えても時間的経過が長いということから副反応と認めず、疼痛の治療をするのみで、多彩な神経免疫症状については心因性のものであると診断をしています。これにより多くのHANS患者様が適切な治療を受けることができずにいると考え、本財団では医療相談の窓口を開設し、現在110名を超える患者様の対応をしております。しかしながら、HANSの概念を理解し、診療をすることができる医療機関、臨床医はまだわずかであり、本財団研究チームの臨床医は関東に集中しているのが現実です。今後、治療を推進していく上で全国にこの概念を拡げることが急務であり、この疾患に苦しんでいる少女達を救済するために必要不可欠であると考えております。
 厚生労働省副反応検討委員会は、海外でHANSの症状を訴える患者様はいないという見解を示していましたが、本財団の調べによりヨーロッパ諸国、アメリカ、インド、ロシアなど世界各国で同様の症状を訴える患者様がいることが明らかになってきました。昨年末、本財団が発表したHANS診断基準を知ったデンマークのコペンハーゲンにある国立Frederiksberg病院から、デンマーク国内でも同様の症状で苦しんでいる患者様が多数おり、この病院でも80名以上のHANSの患者様の治療に苦慮していることから病態解明・治療法の確立に向け、本財団と共同研究を行いたいと要請があり、昨年12月に共同研究を進めることになりました。
 またこれを受け、本年1月にデンマーク国立Frederiksberg病院から担当医が来日し、本財団の研究チームと症例の検討を行い、共通プロトコールを用いた病態調査を実施することが了承されました。現在、デンマークと日本の2国間でこの共通プロトコールによる病態調査を実施しており、順調にデータが集積され、解明が進んでいます。

HPVシンポジウムを終えての座長取りまとめ より
http://www.med.or.jp/nichinews/n270105f.html
 HPVワクチン接種後に発生した症状とワクチンとの因果関係の有無及び病態については,本日のシンポジウムでも示されたように,専門家の間でもいくつかの異なる見解がある。今後も専門家による究明の努力が重要であると考える。これらの症状を呈した被接種者に対しては,HPVワクチン接種との因果関係の有無や病態にかかわらず,その回復に向けて,日本医師会・日本医学会が行政と共に,治療・支援体制を強化することが大切である。ワクチンには接種をすることによるリスク(副反応)と,しないことによるリスク(疾病予防機会の喪失)の両面があることを踏まえ,国においては,引き続きワクチン接種のあり方について,現時点で得られている科学的根拠に基づいた検証を行い,結論を得るべく努められたい。
posted by かさまつまさのり at 10:22| 日記

2015年06月25日

「医療事故調査制度」

「医療事故調査制度」
 愛知県医師会調査室の任務で、今年10月から始まる「医療事故調査制度」について解説文を書きました。会員向けの定期会報に掲載されます。
 2年ほど前(この制度の検討が始まったころ) 日本独特な『医療事故調』 という記事を書きました。このころの懸念はいまだ払拭されていません。
 http://kasamatsu.sblo.jp/article/68592464.html
 今回の『医療事故調』が、成功するかどうかは『事故の原因究明と再発防止を主眼とし、関係者・個人の責任は問わないのは常識』という原則が守られるかどうかにかかっています。実際、法律・省令・通知の文章は曖昧です。関係弁護士が目的外使用をするなどを行えば、この制度自体が崩壊する可能性もあります。ご遺族の方々のお気持ちに寄り添い事実をしっかりご説明することが大事なのは言うまでもないことです。但し、今「医療事故調査制度」は、「再発を防止し、医療環境を良くする」ためにこれらを切り離した議論が必要なのです。希望を込めて執筆しました。

「医療事故調査制度」 愛知県調査室委員  笠松正憲
<はじめに>
 医療法の一部が改正され、今年10月に医療事故調査制度<以下、本制度>が発足することになった。本制度は「医療に関する有害事象の報告システムについてのWHOドラフトガイドライン」の「学習を目的としたシステム」に準拠した、国際的水準の制度である。
 ガイドラインの大きな特徴は「学習を目的としたシステム」と「説明責任を目的としたシステム」とを切り分けることである。すなわち本制度では医療安全増進の現実化のため、「説明責任」をはじめとする責任問題(刑事責任・民事責任・行政責任・社会的責任など)を完全に切り離す。しかし、間違ってはいけないのは本制度をもって免責とはならないことである。本制度の調査とは別に、刑事告訴がなされる場合もあることは肝に銘じる必要がある。
 マスメディアの多くや一部の事故調関係者はWHOドラフトガイドラインを理解することなく、いまだに「学習」と「説明責任」を一つの制度で実現しようとする『混合型』思考が多いのは残念である。
<医療事故調査制度と医師法第21条>
 医療事故調査制度問題は長年に渡り混乱を極めた。混乱の元凶は医師法第21条の解釈である。1994年日本法医学会が『異状死ガイドライン』を公表し、届け出るべき異状死に「診療行為に関連した予期しない死亡」を含むと記述した。医師法第21条を拡大解釈し、医療事故を対象としたのである。2006年の福島県立大野病院事件(無罪判決)では、医師法第21条による警察への届出義務違反と業務上過失致死罪容疑で医師が逮捕された。治療上における医師の判断や手術法選択にまで捜査当局が踏み込み、医療現場に大きな不安を与えた。
 「警察が医療現場に入ってこないためには何ができるか」との観点で検討されたのが、2008年の「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」である。行政庁が公的な第三者機関(医療安全調査委員会)をつくり、医療機関が機関に届け出ることをもって警察への届出を免除するというものである。しかし、政権交代とも重なり法案は廃案となってしまった。
 本制度は「大綱案」とは全く性格が異なる。まず院内調査を実施するのが特徴である。また、第三者機関(医療事故調査・支援センター)は民間組織であり、医療安全向上を目的に動き警察や裁判とは切り離された仕組みとなる。本制度は医師法第21条とは並列的な位置づけであり、現状ではそれぞれについて要件を検討し届出の必要があることには留意したい。
<医療事故調査制度の施行に係る検討会>
 本制度の詳細を決めるべく「医療事故調査制度の施行に係る検討会」で論点整理が行われた。議論は紛糾し、座長が「取りまとめ」を公表することで最終決着をみた。最も激しい対立が起こったのは「院内調査結果の遺族への説明方法」であった。報告書に再発防止策を書くかどうか、書面で渡すかどうかで対立した。「取りまとめ」では「口頭または書面、もしくはその双方の適切な方法により行う」「調査の目的・結果について、遺族が希望する方法で説明するよう努めなければならない」という玉虫色の表現で決着した。事実上、報告書を書面で渡す形が基本になると想定される。報告書の目的外使用を法では制限できないため、その取り扱いは関係弁護士の良心にゆだねられる。報告書が公表されれば、それが刑事司法捜査のきっかけとなることも危惧される。また、責任追及のリスクがあれば、医療関係者が調査で事実を証言しにくくなることもあろう。医療安全増進という本制度の真の目的が実現されるよう、運用方法についてもきめ細かな目配りが必要である。
<群馬大腹腔鏡事件に学ぶ>
 昨今、群馬大を巡る報道が過熱した。本制度施行前の事件であるが、今制度の運用に対し多くの示唆を与える事件であった。契機は「事故調査委員会」による「腹腔鏡下肝切除術事故調査報告書」の公表であり、マスメディア報道は『混合型』思考一辺倒となった。
 驚くべき稚拙な「責任追及型報告書」である。「〜の可能性があった。〜も検討すべきであった。以上のことから、過失があったと判断される」というように、極めて安易に過失を認定している。事故調査委員会が過失認定をすること、報告書を公表することなどは、「学習」を目的としたシステムではあってはならないことである。
 院内調査報告書作成の難しさも浮き彫りとなった。実際、病院側と現場医療者が共に納得する報告書の作成は簡単ではない。群馬大では、執刀医が反論の上申書を提出後に退職した。過去の事例では、県立大野病院事件(帝王切開手術後に産婦が死亡)、東京女子医大事件(2001年・心臓手術中に女児が死亡)、いずれも病院側が作った報告書が原因となり冤罪事件が起きた。医療者は裁判に巻き込まれる可能性があるにも関わらず、自分を守る術は無いに等しい。医療側弁護士とは通常病院側の弁護士を指すが、病院と現場医療者の対応方針が異なる場合は利益相反があり、医療者の人権は無視されることがほとんどである。
 また、事故調査には専門的なトレーニングが必要であるが、医療機関の医療安全管理担当者は、現状では事故調査の訓練をほとんど受けていない。結局、群馬大幹部は自身のガバナンス不足を、執刀医の首を差し出すことで決着させ、問題の本質をすり替えてしまった。
<まとめ>
 ご遺族の方々のお気持ちに寄り添い事実をしっかりご説明することが大事なのは言うまでもない。但し、今制度は「再発を防止し、医療環境を良くする」ためにこれらを切り離した議論が必要である。
 「事故調査を実施すれば、必ず原因が分かり、再発防止策も講じることができる」と考える患者・遺族は多く、調査には限界があることを理解してもらう取り組みも、各医療機関だけではなく、行政をはじめ関係団体に求められているのではないだろうか。
 制度施行まであと数か月。センターの選定、院内事故調査の支援団体の選定など、残された課題は山積みである。省令・通知では具体的な院内調査手法は示されず、各病院団体が作るガイドラインやマニュアルに委ねられるという。5月末には、日本医療法人協会が「医療事故調運用ガイドライン最終報告書」を公表した。適切な運用ガイドラインの作成も本制度が成功するポイントである。現場を混乱させずに着実な一歩を踏み出すべく、手堅い施行・運用を望みたい。

           
posted by かさまつまさのり at 19:34| 医療

2013年05月30日

日本独特な『医療事故調』

日本独特な『医療事故調』

 厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等に関する検討部会」は昨日(5月29日)、全医療機関に対し「診療行為に関連した予期しない死亡事例」の第三者機関への届出を義務付けるほか、医療事故の調査を行う第三者機関の設置を骨子とした報告書、「医療事故に係る調査の仕組み等に関する基本的なあり方」をまとめた。
http://www.m3.com/iryoIshin/article/173241/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
 医療現場に身をおく立場からみるととても残念な内容である。 世界基準から大きく外れた”日本独特のシステム”なのである。 このようなスキームでは、再発防止などは無理です。 さらに医療現場を萎縮させることになりそうである。

 世界の標準を示しておきたい。 2005年にWHOが『有害事象の報告とそれに学ぶシステムについてのWHOガイドライン草案』を発表している。
http://www.who.int/patientsafety/events/05/Reporting_Guidelines.pdf
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 ・報告したものが必ず守られる
 ・建設的なやり取りと、有意義な分析があることが、報告も唯一の価値である
 ・習熟には専門的知識と適切な財源が必要である。報告書を受理する機関は、情報を普及させ、改善に対する提言を行い、解決方法の発展を伝えられることができなければならない

 とした上で以下の7つの条件を明示している。

7つの条件
1 Non-punitive 罰せられない
 報告したことによって、報告をした本人が自分にな対する報復と、他者への罰則の心配をする必要がないこと
2 Confidential 秘密性が保たれる
 患者の情報、報告者の情報、組織の情報が決して漏洩しないこと
3 Independent 独立性がある
 報告システムは、報告者や組織を処罰するどのような当局からも独立していること
4 Expert analysis 専門的な分析がなされる
 報告書は、臨床状況を理解し、潜在的なシステムに起因する原因を認識できるように訓練された専門家によって評価されること
5 Timely 時宜を得ている
 報告書は迅速に分析され、とりわけ重大な事故が起きたときには、提言を知りたいと考えている人々に迅速に伝達されること
6 Systems-oriented システムに由来している
 個人の行為に焦点を当てるのではなく、システムの改善、プロセス、製品に着目した提言になっていること
7 Responsive 情報のやりとりがある
 報告書を受理する機関が、提言を普及させること。可能なときには、加入している組織が提言の実行にかかわることができること
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 今回の日本案が、”成功する報告システム”となっていないのは明らかです。 事故の原因究明と再発防止が主眼とし、関係者・個人の責任は問わないのは常識です。 世界の常識から外れた日本 『医療事故調』 が更なる医療崩壊を招かないか心配です。
           
posted by かさまつまさのり at 08:40| 日記

2013年05月25日

衆参同日選挙の可能性と「針の穴解散」<別名>「死んだふり解散」

衆参同日選挙の可能性と「針の穴解散」<別名「寝たふり解散」>
 参院選がいつ実施されるのかはまだ実はまだ決まっていない。 7月21日(日曜)の投開票と憶測されているだけである。

 参議院議員通常選挙は公職選挙法32条1項により任期満了の日の前30日に行うこととされている。
<公職選挙法第三十二条>
 参議院議員の通常選挙は、議員の任期が終る日の前三十日以内に行う。

 しかし、この規定には例外規定がある。
<公職選挙法第三十二条2>
 前項の規定により通常選挙を行うべき期間が参議院開会中又は参議院閉会の日から二十三日以内にかかる場合においては、通常選挙は、参議院閉会の日から二十四日以後三十日以内に行う。

 つまり、国会が会期延長される場合には、参議院閉会の日から二十四日以後三十日以内に行うことになる。

 現在開会中の国会会期末は6月26日。 他方、参議院の任期満了は7月28日。 したがって、参院選は7月14日ないし7月21日に実施されるとの見通しが示されているのである。先に示したように、仮に国会会期が延長た場合は、この限りではない。 8月選挙という可能性もありうるのである。

 過去の歴史をみてみよう。「針の穴解散」<別名、「死んだふり解散」>である。
 昭和61年、中曽根康弘内閣総理大臣は在任4年目に突入。 世論調査では高い内閣支持率を保っており、衆参同日選挙を目論んでいた。 しかし、前年の昭和60年、最高裁判所が衆議院の一票の格差に対し違憲判決を出しており、この問題が解散の障害となっていた。 そこで政府・与党は議員定数不均衡を是正するために公職選挙法改正案を提出し、昭和61年5月22日に参議院本会議で可決・成立させ議員定数不均衡問題を解決した。 しかし、同日選に反対する野党との妥協により改正法には新定数に関する30日の「周知期間」が設けられた。 また、後藤田正晴内閣官房長官らが「この法改正で首相の解散権は制限される」旨の発言をおこなったことで、同日選実施を断念したと思われていた。 ところが、中曽根内閣は突如6月2日に臨時国会を開会し、冒頭で衆議院解散することを閣議決定。 本会議を開かずに議長応接室に各会派の代表を集め、衆議院議長が解散詔書を朗読して衆議院解散となった。 政府は7月6日に参院選と同時に衆院選を行うことを決定し、史上2度目の衆参同日選挙となった。
 中曽根首相が「正月からやろうと考えていた。定数是正の周知期間があるから解散は無理だと思わせた。死んだふりをした」と述べ、早期解散はできないと思わせたことを「死んだふり」と表現したことから、「死んだふり解散」という解散名が定着した。

 さて、今も状況は似ている。 安倍首相は高い内閣支持率を保っており、衆参同日選挙を目論んでいても不思議はない。 4月23日、衆議院本会議で「0増5減」法案が可決し、参議院に送付された。 参議院は与党過半数割れのため、「60日ルール」による再可決を使うと、最短で会期末の5日前、6月21日に衆議院で再可決して法案が成立する。
 「7月21日の同日選」なら公示日は7月9日。
 「7月28日の同日選」なら公示は7月16日。
 新区割りに30日の「周知期間」を設定すると、改正法案の施行は7月20日以降となり少しだけ間に合わない。
 安倍首相が衆参同日選挙を考えるなら、 @「60日ルール」による再可決以前に法案を可決する、A国会会期を延長し参議院議員通常選挙日程を延ばす、などの中曽根元首相のような「針の穴」を通り抜ける妙案が必要なのですが、有り得ないことではありません。

 私が、安倍首相なら衆参同日選挙をするパンチ 誰も聞いてないね(笑)たらーっ(汗)
    
posted by かさまつまさのり at 15:02| 日記

2013年03月24日

『生活保護の現状と課題』

『生活保護の現状と課題』

 3月23日の名古屋市医師会代議員会で、長谷川誠名古屋医師会理事が 『生活保護の現状と課題』 と題し報告をおこなった。 非常に興味深い話題なので紹介したい。 <少々大きいファイルですが下にPDFをリンクしています。>
 外国人が生活保護が受けられることを知らない人も多いと思います。 近年、外国人生活保護受給世帯は4万世帯に膨れ上がっている(世帯数なので実人数はさらに多い)。 在日外国人への生活保護は、昭和29年の旧厚生省社会局長通知で 『当面の間、生活が困窮している外国人に対しては』 と、生活保護法の準用措置をしているものです。 国民の合意が得られるのであれば、外国人も納税者であるのだから生活保護法から締め出す必要はないと思います。 が、『当面の間』という準用文言で準用措置50年以上はさすがに法整備が遅れていると感じます。
 現在、生活保護費の増加は自治体財政にとって、大きな負担となっている。 国の法律に基づく制度のため、自治体独自に見直すことは困難であるにもかかわらず 1/4 は強制的に捻出しなければならない。 国による法整備が必要だと思うのですが。
『生活保護の現状と課題』
 http://kasamatsu.sakura.ne.jp/seikatu20130324.pdf
posted by かさまつまさのり at 13:25| 政治

2013年02月28日

「国会版社会保障国民会議」2月27日

「国会版社会保障国民会議」2月27日

「国会版社会保障国民会議」2月27日の資料

河野太郎代議士資料(PDF)
土居丈朗慶應義塾大学教授資料(PDF)

日 時 平成25年 2月27日(水) 17:00〜
場 所 衆議院第一議員会館1階 国際会議室

 国会版社会保障国民会議サイト
 http://www51.atwiki.jp/kokuminkaigi
posted by かさまつまさのり at 22:00| 日記

2013年02月27日

2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPVの3ワクチン定期接種化

ワクチンの話C 『2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPVの3ワクチン定期接種化』
 先月1月27日、厚生労働、財務、総務の3大臣による折衝が行われ、2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPV(ヒトパピローマウイルス)の3ワクチンを定期接種とすると報道されました。
 『子宮頸癌、ヒブ、肺炎球菌を定期接種化へ』http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20130204/339061/

 『ワクチンの話B 必要なワクチンがなぜ任意接種?』 など、ワクチン行政を批判してきた私としても大変喜ばしいことです手(チョキ)

 しかし、詳しく内容を見てみると何故か心配なことだらけです。

 29日には各地方自治体宛に厚生労働省並びに総務省から「9割公費負担」に係る事務連絡がでました。これらの内容からわかることは、
・ヒブ、小児用肺炎球菌、HPVが定期接種となること
・新たに追加する3ワクチンを加えた全ての定期接種の費用の9割を公費負担とすること
・9割の公費負担は、普通交付税措置を講じることで実現すること
です。

 新たな3ワクチンだけではなく、従来からの定期接種にかかる費用も「9割公費負担」の対象としていることなど評価すべきところです。 しかし、「9割公費負担」の中身は、住民税年少扶養控除廃止による増税分です。 それでも予防接種費用の9割に満たない部分を地方交付税で補う、というものです。
 年少扶養している保護者からの増税分を財源にする手法が「9割公費負担」と呼ぶにふさわしいかは疑問ではありますパンチ
           
posted by かさまつまさのり at 17:39| 日記

2013年02月23日

河野太郎代議士『わが国のエネルギー問題について』

河野太郎代議士『わが国のエネルギー問題について』
 愛知政治大学院<2月16日>の講義は、河野太郎代議士 『わが国のエネルギー問題について』 でした。 わかりやすいお話でした。 皆さんにも知っていただきたいのでまとめました。
           
                 当日配布のまとめ<クリックPDF>

<ウラン、使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物>
日本では、ウラン燃料を原子力発電所で燃やしています。 ウランを燃やすと、使用済み核燃料と呼ばれる核のゴミが出ます。 使用済み核燃料を再処理すると、プルトニウムを取り出すことができます。 この残りが高レベル放射性廃棄物です。 青森県の六ヶ所村に作られたのが、この再処理をするための工場です。

<高速増殖炉>
プルトニウムを、高速増殖炉と呼ばれる特殊な原子炉で燃やすと、発電をしながら電力を取り出しながら、投入した以上のプルトニウムが取り出される。(プルトニウムがよりたくさんのプルトニウムを生み、それがまたこの高速増殖炉の燃料になる)

<核燃料サイクル>
ウランから始まって高速増殖炉に到る、これを核燃料サイクルと呼んでいます。 30年以上前、核燃料サイクルをきっちりやろうということで、日本は原子力発電をスタートしました。 しかし今、現実にこの高速増殖炉は、残念ながら実用化にはほど遠いのが現実です。

<高速増殖炉、プルトニウム>
日本の国はプルトニウムを45トン保有しています。そのかなりの部分は、再処理をイギリス、フランスにお願いをしている。 プルトニウムというのは核爆弾の、核兵器の材料です。 北朝鮮が、わずか50キログラムのプルトニウムを持っているだけで大騒ぎになりました。日本は北朝鮮の1000倍近いプルトニウムを保有している。 六ヶ所村に作られた再処理工場は、稼働すると1年間に8トンのプルトニウムを生み出す能力があります。(プルトニウムを燃やす高速増殖炉はあと40年以上は実用化されません。 再処理工場から8トンずつプルトニウムが出て来る。 大変おかしな状況になっています。)

<プルサーマル>
経済産業省と電力会社は、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料というものを作って、MOX燃料を原子力発電所で燃やす、プルサーマルということを始めようとしています。 なぜこんなことをするかといえば、プルトニウムとウランを混ぜて原子力発電所で燃やして、少しでもプルトニウムを消費するためです。 電力会社と経済産業省は、プルサーマルをウラン資源の再利用だと宣伝しています。 しかし実際このMOX燃料は、ウランが9に対してプルトニウムが1の割合で混ぜられています。 ウラン燃料がたった1割節約になるだけです。 ウラン鉱山を買ってしまった方が、はるかに安上がりという現実があります。

<再処理工場>
日本の原子力発電所は、それぞれの発電所の中にプールを作り、ウランを燃やした時に出る使用済み核燃料を貯蔵しています。 しかし、原子力発電所によっては数年でこのプールが一杯になってしまう状況です。 そこで、電力会社は六ヶ所村の再処理工場の近くに使用済み核燃料の貯蔵プールを作り、六ヶ所村のプールに移動しようとしているのです。 電力会社にとって、再処理工場本体が動くかどうかは問題ではありません。再処理工場に付属した貯蔵プールが使えれば良いし、使えなければ近いうち原発停止という事態になってしまうのです。

<まとめ>
原子力発電所でウランを燃やせば、使用済み核燃料、あるいは高レベル放射性廃棄物、どちらかの形の核のゴミが必ず出ます。 両方とも非常に強い放射能を持った物質です。 地下数百メートルの所に100年、200年、きちんと埋めて管理をする、そしてその後、人間社会から完全に切り離す、地層処分という処分をしなければなりません。 残念ながら今、日本の国の中で、使用済み核燃料であっても高レベル放射性廃棄物であっても、この核のゴミを処分する場所は見つかっていません。
私たちは核のゴミをどう処分するのか、あるいは高速増殖炉を本当に実現するのか、溜まってしまったプルトニウムをどう処理するのか――こうした問題を解決しなければなりません。

<核の抑止力>
原発を持つことが、「周りの国から見て核開発という抑止的機能を果たしている」という意見もある。 核兵器をつくるためには濃縮ウランか、プルトニウムが必要。 原発は、ウランを燃やしてしまうから、濃縮ウランで核兵器をつくるためには必要がない。 イランのようにどこかでこっそりウランを濃縮すればよい。 北朝鮮のように、ウランを燃やして使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して核兵器をつくるという方法がある。 しかし、日本の場合、すでにプルトニウムを45トンも取り出している。 8kgのプルトニウムがあれば核爆弾を一つ作れるので、すでに日本国内にあるプルトニウムだけで、数百発の核爆弾を作ることができる。 もし、本当にその気になればだが。 だから、日本が今後、原発を維持するかどうかは、核兵器開発の潜在能力とは既に関係がない。
           
posted by かさまつまさのり at 10:00| 政治

2013年02月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日の資料
社会保障抜本改革の視点 小黒一正一橋大学准教授(PDF)

国会版社会保障国民会議 世話人    
中谷元(自民)河野太郎(自民)木原誠二(自民)
上田勇(公明)大串博志(民主)浅尾慶一郎(みんな)

日 時 平成25年 2月20日(水) 17:00〜
場 所 衆議院第一議員会館1階 国際会議室
講 師 土居丈朗 慶應義塾大学教授
    小黒一正 一橋大学准教授

 国会版社会保障国民会議サイト
 http://www51.atwiki.jp/kokuminkaigi
posted by かさまつまさのり at 23:50| 医療