2010年03月21日

長泉町地価上昇と政策

長泉町地価上昇と政策
 先日、ことしの全国の公示地価が発表されました。 2万7000余りの調査地点のうち、土地の値段が上がったのはわずかに7か所。 その1つが、人口4万人のまち、静岡県長泉町です。 注目されています。 理由は医療、福祉のサービスです。
 最寄の新幹線駅三島駅の前に大手化学繊維メーカー・東レが進出したのが1958年。 その後も長泉町は、富士山の豊富な水源を背景に製紙・薬品など次々と大きな企業の誘致に乗り出しました。
 「(企業から)固定資産税、(個人から)所得税」(長泉町・遠藤日出夫町長)
 その収入を道路などのインフラ整備に充てました。 さらにほかの自治体に先駆けて、中学生までの医療費の無料化を打ち出したのです。 大企業の誘致と子育て支援策の相乗効果で若い世代が流入し、人口が増加。出生率も県内トップとなり、町の基盤が整ってきました。
 注目すべきもう一つのある理由があります。
 「基盤ができてある程度までいったら、次は住む人の健康を考える」(長泉町・遠藤日出夫町長)
 静岡県が中心となって進めるプロジェクトの中核施設で、全国最先端ともいわれる静岡県立がんセンターを誘致。 企業や大学と一緒になって新たな町おこしを始めたのです。
 「医療健康産業を静岡県で推進させる。その中心に県立がんセンターを置く。それを10年間ずっとやってきた」(静岡県立がんセンター・山口建総長)
 全国から医師や研究者らが集まり始めた長泉では今、マンションの建設ラッシュ。この結果、全国で数少ない地価の値上がり地点となったのです。
 人は何に引き付けられるかを如実に物語っているようです。 ちなみに税金は標準並みです。 景気が落ち込む中、企業誘致だけでなく、子育てや健康といった住民目線の政策が地方経済復活のカギを握っているのでしょう。 企業もそうです。 長泉町でも高速道路が整備されて企業が進出している。産業インフラの充実や関連産業の厚みなどを見て進出を決めるのだ。 ほんの数%の税金が安いことだけで企業は進出を決めない。 わがまち名古屋では、河村市長が 『10%減税で企業誘致』 を叫んでいますが、どうでしょうか?
posted by かさまつまさのり at 09:11| 日記

村唯一の医師辞意

村唯一の医師辞意
         
上小阿仁唯一の医師辞意(読売新聞)
 1通の辞職願で上小阿仁村が揺れている。村唯一の医療機関「上小阿仁村国保診療所」に勤務する有沢幸子医師(65)が「精神的に疲れた」と先月下旬、突然、退職表明し、61年ぶりの無医村になる可能性が出てきたのだ。関係者は必死の慰留を続けているが「辞職の意思は固い」という。休みは20日に1回という激務に耐え、地域医療を支えてきた有沢医師に何があったのか。
■村の神様
 「死に水を取ってもらえた」「こんなに話しやすい先生は初めて」。村を歩くと村民から、有沢医師への感謝の言葉が聞こえて来る。有沢医師は昨年1月の赴任以来、午前8時30分-午後5時15分の定時診療のほか、早朝や夜間の往診も自発的に続けている。
 脳梗塞(こうそく)で倒れた母(88)の看病を続ける小林ユミ子さん(66)の元にも、有沢医師は診療時間の合間を縫って連日訪問。今月8日の流動食開始日には3度往診し、「鼻から胃へ液体を落とすのよ」と優しい口調で説明を続けた。
 小林さんは「分からないことは丁寧に教えてくれる。有沢先生は私たちの神様なんです」と話す。
 斉藤ヒサコさん(70)は昨年3月に他界した義理の母(享年92歳)に対する有沢医師の献身的な診療が忘れられない。
 ふりしきる大雪の中、深夜の午前1時でも3時でも容体が悪化すると点滴や酸素ボンベを持って夫と駆け付けてきた。嫌な顔一つせず、「少しでも休んで」と家族をいたわってくれた。
 「息を引き取る瞬間まで、『ばぁちゃん、早く元気になれ』と声を掛け続けてくれた。先生が居なくなったら私は生きていけない」と斉藤さんは声を絞り出した。
■心に傷
 辞意を表した理由を有沢医師は公にしないが、小林宏晨村長(72)は「言われ無き中傷により、心に傷を負わせてしまったことが最大の原因」と語る。
 村幹部らによると、有沢医師は昨秋、診療所向かいの自宅に「急患にすぐに対応できるように」と自費で照明を設置。だが、直後に「税金の無駄使いをしている」と言い掛かりを付けた村民がいたという。
 また、昼食を食べに行く時間が無く、診療所内でパンを買った際、「患者を待たせといて買い物か」と冷たい言葉を浴びせられたり、自宅に嫌がらせのビラがまかれたこともあったという。
 昨年、有沢医師の完全休診日はわずか18日。土日や祝日も村内を駆け回り、お盆期間も診療を続けた。しかし、盆明けの8月17日を休診にすると「平日なのに休むとは一体何を考えているんだ」と再び批判を受けたという。
 診療所の小嶋有逸事務長補佐(60)は「こんなに身を粉にして働く医師は過去に例が無い。無医村になったら村民が困る。自分で自分の首を絞めている」と憤る。
■翻意なるか
 村は、有沢医師の負担を軽減するため、土曜日の完全休診制や村の特別養護老人ホームへの往診免除などを申し入れ、交渉を続けているが結果は芳しくない。
 村民の中には有沢医師に「辞めないで」と懇願するために受診する人もいる。署名活動の動きもあり、旅館経営の高橋健生さん(62)は「一人でも多くの声を伝えなければ手遅れになってしまう」と話す。
 有沢医師は兵庫県出身で、海外や北海道の利尻島などで診療に携わった経験がある。村へは夫と共に移住した。有沢医師は後任が見つかるようにと辞職日を来年3月末にした。だが翻意しなければ、村は2-3か月後に医師募集し、後任探しをしなければならない状況に追い込まれる。
 小林村長は「一部の不心得者のために人格も腕も一流の医師を失うのは不本意。医師不足は深刻で、無医村になる公算は限りなく大きい」とため息をつく。


 考えさせる事例ですね。 ただ、過疎村の特別な事例としてではなく、厚生労働省の考える医師像にも関わる問題でしょう。 4月から、診療所も電話24時間対応をさせようとしています。 患者医師間の信頼関係を大切にする考えを持ってほしいと思います。
posted by かさまつまさのり at 08:49| 医療

2010年03月09日

膨大な社会的経済的ムダと現場混乱まねく明細書発行の義務化

膨大な社会的経済的ムダと現場混乱まねく明細書発行の義務化
是非一読願いたい文章です。
     ↓
政策部長談話「膨大な社会的経済的ムダと現場混乱まねく明細書発行の義務化 医療は商品購入ではない 保険者のレセプト開示で、問題は解決する」 神奈川県保険医協会 政策部長 桑島政臣
 http://www.hoken-i.co.jp/outline/h/post_407.html
 その理由として医療の透明化、薬害・医療事故の資料などが挙げられているが、これらは根拠が乏しく不可解な点も多い。しかも、いたずらに医療機関の費用負担・事務負担を課すばかりか、合理性や整合性のない診療報酬点数の仕組みや「用語」の説明を医療機関に強いるものとなり、無用なトラブルが医療現場で多発する懸念が大きく、撤回すべきだと考える。・・・・・・・・・そもそも、医療は必要に応じて提供される性質のものである。よって健康保険で「現物給付」としており、その提供は実は保険者に義務付けている。そして保険者は全医療機関へ医療提供を委託する保険契約を都道府県を通じ包括的に結んでおり、医療機関は医療提供の対価を公定価格の診療報酬として保険者に請求、保険者が対価を支払うという関係性にある。窓口負担(「一部負担金」)とは、保険者が支払う対価の一部を、患者から医療機関が代理受領をしているに過ぎないのである。つまり、医療現場での領収証は、金額領収の意味以上のものではない。いわんや市場での商品購入における領収証とは性質が全く異なる。当然ながら商行為ではないゆえに窓口負担は印紙税法や消費税法の対象ではないのである。・・・・・・・・・患者にこの保険者支払いの便法、診療報酬の明細が明らかにされても、用語も仕組みも理解できずに疑問が生じ、説明を求め窓口が混乱することは火を見るより明らかである。・・・・・・・・・今回の領収明細書の全患者発行は、別な意図も見え隠れする。中医協に出されている雛型は、「領収証」と「診療明細書」の2枚出す形とされており、後者は「診療報酬明細書」ではなく「診療」の明細書であり、多くの患者の誤解を招く。いずれ患者要求をカルテの無料開示までつなげていこうという深謀遠慮さえ感じる。事実、全患者発行の推進派の支払側委員が、トヨタ記念病院の例(自動入金機の画面で領収明細書の要・不要が選択できる)を不用意に出したことをめぐり、会議後に医療課長が詰め寄り抗議したことが報じられている。また窓口混乱による、患者数の抑制、制限に向けた高等戦略というようにも見える。以上、領収明細書の発行は、社会的経済的なムダと現場混乱を招くことが想像に難くないにもかかわらず強行しようとしており、社会実験のきらいが大きい。改定検証部会で検証すると中医協は悠長な構えでいるが、即刻、撤回すべきである。改定骨子へ寄せられたパブリックコメント2,983件のうち、領収明細書発行に賛意を示す意見は10件にすぎず、国民の関心事にはなっていない。過ちは改めるに如かず、良識を求めたい。

 オンライン請求が義務化になるといわれ、百万以上のレセコンを買わされた。 政権が変わったとたん、義務ではなくなった。 早く対応したものが 『馬鹿をみた』 もうやだ〜(悲しい顔) 
 2月末に突然 『4月1日から明細書の発行を義務化する』 と。 医者でさえ十分に説明できない未整理状態である診療報酬項目を現場の責任で開示しろと。 4月からの窓口の混乱は目に見えるようである。
 我々は、病気を治すために診療をしているのであって、明細書等の書類を作るために診療をしているのではない。 これ以上、医者と患者の関係を悪くするような介入はしないでほしい。
 しかし、我々保険医はお上に従わなければならない。 開業医も本当につらいものです ふらふら
posted by かさまつまさのり at 15:43| 医療