2010年11月17日

Tea Party

Tea Party
 2009年4月15日に、全米各地で 「Tax Day Tea Party(茶会運動)」 という集会が行われた。 4月15日は米国では税金の個人申告の期限日である。 1773年12月の「Boston Tea Party(ボストン・ティー・パーティー)事件」に擬して開催されたものだ。 アメリカの独立運動のターニングポイントとなったこのボストン・ティー・パーティー事件は、今でも、専制的なイギリス王政に対する反逆のシンボルと位置付けられている。 イギリスの植民地政策の象徴であったアメリカでの過重な茶税に反対するアメリカ市民の一党(およそ50人くらいだったという)が、ボストン港に停泊中のイギリス船を襲い、 「ボストン港をティー・ポットにするのだ」 と叫びながら、計342箱もの積み荷の茶箱を海に投げ捨てたというのだから、いかにラディカルな実力行使だったかがわかる。
 さて、2009年のTea Party「ティーパーティー(茶会運動)」だが、主催者側の総括によれば、ニューヨークやワシントンDC、ボストンなど全米800か所で、オバマ政権の経済政策が納税者たちにとって制御不能な無責任な政策に堕しているとして抗議する人々の集会が行われたのだという。彼らによれば、この動きこそは、真に「草の根」(Grassroots)的なアメリカ国民の怒りの声だと主張している。 どんなに共和党系の政治団体から大口の寄付があったとしても、それでも「草の根」なのだ、という主張は揺るがない。 ちなみTea(ティー)は  「Taxed Enough Already(もう税金はたくさんだ)」 の頭字語でもある。
 さて、今月2日の中間選挙は、オバマ民主党の大敗、共和党の特に下院での大躍進という結果に終わった。 この選挙で再度注目を浴びたのが Tea Party。 中間選挙前の9月のWSJ紙とNBCの共同世論調査によると、中間選挙有権者の3分の1がTea Party支持者で占められていることがわかり政界での影響力の拡大を誇示した。 しかしながら、注意しなければいけないのが、Tea Party支持者が必ずしも共和党支持者とはいえないこと。 財政赤字は共和党のブッシュ前政権も同様だったため、共和党指導層に対しても 「ワシントンのインサイダーだ」 と批判の声を上げている。 また、従来の共和党支持を離れ、前回大統領選でオバマ氏に投票し、結局オバマ氏の政策に失望した人々もいる。 こうした層の受け皿なのです。
 Tea Partyには、全体をまとめる指導者はいない。 今年2月に開催された、初のTea Party全国大会には、2008年大統領選で共和党副大統領候補だったペイリン前アラスカ州知事が出席したが、彼女も積極的に指揮しているわけではない。
 今後も注目です。
          
posted by かさまつまさのり at 16:48| 政治