環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP:Trans-Pacific Partnership)とは、2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国加盟で発効した経済連携協定である。 先に加盟した4カ国と新たに加盟を表明しているオーストラリア、ペルー、アメリカ、ベトナム、マレーシアの5カ国、計9カ国で構成される予定。
2015年までに協定国間の貿易において、工業品、農業品、金融サービスなどをはじめとした全品目の関税を原則として完全撤廃することにより、貿易自由化の実現を目指すFTA(自由貿易協定)を包括する経済連携協定である。 参加国は関税撤廃によって、自国の製品をより安価に輸出することができ、さらなる貿易拡大が期待できる。 その反面、輸入品に対する関税をゼロにしなければならないため、保護されてきた国内産業がダメージを受ける可能性がある。
さて、日本はどうするのでしょう?

日本のTPPによる経済効果については、各省庁が異なる前提でバラバラの試算を出している。 内閣府はGDP2.4〜3.2兆円の増加というデータ。 農水省は11.6兆円の損失と雇用340万人減としている。 一方で、経産省はTPPに不参加の場合(日本不参加の中で韓国が米・中・EUとFTA締結した場合)は参加した場合に比べてGDP10.5兆円減と雇用81.2万人減との試算を発表している(自動車、電気電子、機械産業の3分野で日本が韓国にシェアを奪われるとの推計ですね)。
とりあえず、この省庁間のデータのばらつきは何でしょう。 試算に用いる前提条件が異なるので、こんなに極端な結果になったのかもしれないが、こういう試算は各省庁で色々と議論してから口にするべきことでしょう。 「省益ばかり」のテータ羅列ですね。 仕事の段取りが悪い内閣だと思います。 普通の会社ならとっくの昔に倒産です。
ほかにも様々な問題があります!

まず、FTA巧者であるメキシコ・ブラジル・韓国はTPPに参加しません。 また、TPPの9カ国のなかで、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、チリとは日本はすでにFTAを結んでいるので、新たな輸出拡大先は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでしょうか。 オーストラリア、ニュージーランは農業国。 人口も少なく、工業製品を売り込むには、小さい市場です。 それに対し、向こうには安価で良質な小麦乳製品があります。 国内農業に与える影響は大きなものになりそうです。 生活で実感できる事例としては、チリ産のワインがあります。 980円とか、、、あんなに安くなったのもFTAのおかげですよね。
さて、 『
米韓がFTAの批准に向けた交渉で合意 工業製品や消費財の関税の95%以上を5年以内に撤廃へ』 というニュースが飛び込んできました。 合意内容によると、米韓両国は工業製品や消費財の関税の95%以上を5年以内に撤廃するとしている。 焦点の自動車分野では、韓国側が譲歩し、アメリカが韓国製自動車への2.5%の輸入関税を5年間維持するのに対し、韓国はアメリカ製自動車への関税率を8%から4%に半減したうえで、5年後までに廃止することで妥結した。 発効すれば韓国と競争関係にある日本の輸出産業への影響は避けられないものとみられる。
私の頭ではまとめ切れませんが、いろいろな問題点を感じました。
・TPPはFTAの構築で韓国や中国に後れをとった日本が追いつくチャンスだ。この機会を逸すると、欧米市場さらには中国市場に関して韓国との競争条件に大差がつき、市場を奪われるおそれが強い。
・かつてウルグアイ・ラウンド(多角的貿易交渉)に際して、農業自由化の代償として6兆円の対策費が支出されたが、農業の自立と無縁の土木事業などに費消され、農家からさえ批判された。この補償の問題も十分に議論すべき。
・各種農業団体からTPPに対し抗議が出ている。それはもっともなこと。ただし、民主党が拡充した農家に対する戸別所得補償制度も、FTA備える目的だったはず。戸別所得補償制度を受け入れた以上ある程度の譲歩は必要。
・『2国間のFTAでさえまとめるのは困難を極める。9カ国も参加したTPPをまとめるのは事実上無理でしょう(勝間和代先生)』
長くなりましたのでこれくらいで。。。
posted by かさまつまさのり at 16:42|
日記