2011年08月21日

円高対策は復興債の日銀引受で

円高対策は復興債の日銀引受で
 円相場が東日本大震災の直後につけた戦後最高値(1ドル=76円25銭)を更新しました。 現在の円高は、市場(国内の金融機関や外国為替市場)に流通する円の量が少ないことに起因しているのは明らかです。 週明けにも為替介入が計画されているようですが、円の流通量が少ないことを解決しないまま、為替介入をしたところで焼け石に水と思われます。
 リーマンショック以降、アメリカのFRBは量的緩和を継続し、ドルのマネタリーベースを約3倍に拡大してきました。 これに対して、日本銀行は1.2倍程度です(図参照)。 これではデフレが深刻化するのはもちろん、円高が継続するのは当たり前です。 円とドルでどちららが相対的に多いか少ないか、多いほうの通貨は希少価値がなく安く、少ない方の通貨は希少価値が出て高くなる。 この考え方を 『マネタリー・アプローチ』 といって、国際金融では常識です。
           
 為替介入のプロセスを単純に説明します。 円の価値を下げるためのオペレーションは日本政府(財務省)が日銀を通じ、 『円で外貨(ドルなど)を買い』 自国通貨の価値を下げる意味があります。 日本政府が民間金融機関に政府短期証券を発行し、円を手に入れます(当然、政府の負債残高は増えます)。 次に政府は日銀を通じて外国為替市場で円を外貨に両替することで、ドルの価値を上げ、円の価値を下げます。 そして、政府はドルを現金で持っていても仕方ないので、米国債を買い入れます。 アメリカ政府に『どうぞ使ってください』と貸し付けるのに等しいのです。 最終的に政府の手元には米国債が残り、その分 外貨準備に積み上げられます。 つまり、為替介入とは、日本政府の負債を増やして、アメリカ政府に貸し付ける行為です。 政府も日銀も 『円高で輸出企業が大変だ!』 といって政府の負債を拡大しているのです。 結論として、日米のマネタリーベースの差は拡大していますから、根本を変えない限り、為替介入をしても円高は続くでしょう。
 民主党で復興増税が議論されています。 復興予算規模としては20兆円程度です。 今年度予算では、借換債の日銀引受枠がまだ18兆円余っています。 それを使った上で復興債18兆円を市中消化すればいいのではないでしょうか。 日米のマネタリーベースの縮小、すなわち円高対策には最良の手段です。 少なくとも、米国債残高を増やし外貨準備に積み上げられるよりより効果的であると私は考えます。
posted by かさまつまさのり at 10:36| 政治