2013年02月28日

「国会版社会保障国民会議」2月27日

「国会版社会保障国民会議」2月27日

「国会版社会保障国民会議」2月27日の資料

河野太郎代議士資料(PDF)
土居丈朗慶應義塾大学教授資料(PDF)

日 時 平成25年 2月27日(水) 17:00〜
場 所 衆議院第一議員会館1階 国際会議室

 国会版社会保障国民会議サイト
 http://www51.atwiki.jp/kokuminkaigi
posted by かさまつまさのり at 22:00| 日記

2013年02月27日

2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPVの3ワクチン定期接種化

ワクチンの話C 『2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPVの3ワクチン定期接種化』
 先月1月27日、厚生労働、財務、総務の3大臣による折衝が行われ、2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPV(ヒトパピローマウイルス)の3ワクチンを定期接種とすると報道されました。
 『子宮頸癌、ヒブ、肺炎球菌を定期接種化へ』http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20130204/339061/

 『ワクチンの話B 必要なワクチンがなぜ任意接種?』 など、ワクチン行政を批判してきた私としても大変喜ばしいことです手(チョキ)

 しかし、詳しく内容を見てみると何故か心配なことだらけです。

 29日には各地方自治体宛に厚生労働省並びに総務省から「9割公費負担」に係る事務連絡がでました。これらの内容からわかることは、
・ヒブ、小児用肺炎球菌、HPVが定期接種となること
・新たに追加する3ワクチンを加えた全ての定期接種の費用の9割を公費負担とすること
・9割の公費負担は、普通交付税措置を講じることで実現すること
です。

 新たな3ワクチンだけではなく、従来からの定期接種にかかる費用も「9割公費負担」の対象としていることなど評価すべきところです。 しかし、「9割公費負担」の中身は、住民税年少扶養控除廃止による増税分です。 それでも予防接種費用の9割に満たない部分を地方交付税で補う、というものです。
 年少扶養している保護者からの増税分を財源にする手法が「9割公費負担」と呼ぶにふさわしいかは疑問ではありますパンチ
           
posted by かさまつまさのり at 17:39| 日記

2013年02月23日

河野太郎代議士『わが国のエネルギー問題について』

河野太郎代議士『わが国のエネルギー問題について』
 愛知政治大学院<2月16日>の講義は、河野太郎代議士 『わが国のエネルギー問題について』 でした。 わかりやすいお話でした。 皆さんにも知っていただきたいのでまとめました。
           
                 当日配布のまとめ<クリックPDF>

<ウラン、使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物>
日本では、ウラン燃料を原子力発電所で燃やしています。 ウランを燃やすと、使用済み核燃料と呼ばれる核のゴミが出ます。 使用済み核燃料を再処理すると、プルトニウムを取り出すことができます。 この残りが高レベル放射性廃棄物です。 青森県の六ヶ所村に作られたのが、この再処理をするための工場です。

<高速増殖炉>
プルトニウムを、高速増殖炉と呼ばれる特殊な原子炉で燃やすと、発電をしながら電力を取り出しながら、投入した以上のプルトニウムが取り出される。(プルトニウムがよりたくさんのプルトニウムを生み、それがまたこの高速増殖炉の燃料になる)

<核燃料サイクル>
ウランから始まって高速増殖炉に到る、これを核燃料サイクルと呼んでいます。 30年以上前、核燃料サイクルをきっちりやろうということで、日本は原子力発電をスタートしました。 しかし今、現実にこの高速増殖炉は、残念ながら実用化にはほど遠いのが現実です。

<高速増殖炉、プルトニウム>
日本の国はプルトニウムを45トン保有しています。そのかなりの部分は、再処理をイギリス、フランスにお願いをしている。 プルトニウムというのは核爆弾の、核兵器の材料です。 北朝鮮が、わずか50キログラムのプルトニウムを持っているだけで大騒ぎになりました。日本は北朝鮮の1000倍近いプルトニウムを保有している。 六ヶ所村に作られた再処理工場は、稼働すると1年間に8トンのプルトニウムを生み出す能力があります。(プルトニウムを燃やす高速増殖炉はあと40年以上は実用化されません。 再処理工場から8トンずつプルトニウムが出て来る。 大変おかしな状況になっています。)

<プルサーマル>
経済産業省と電力会社は、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料というものを作って、MOX燃料を原子力発電所で燃やす、プルサーマルということを始めようとしています。 なぜこんなことをするかといえば、プルトニウムとウランを混ぜて原子力発電所で燃やして、少しでもプルトニウムを消費するためです。 電力会社と経済産業省は、プルサーマルをウラン資源の再利用だと宣伝しています。 しかし実際このMOX燃料は、ウランが9に対してプルトニウムが1の割合で混ぜられています。 ウラン燃料がたった1割節約になるだけです。 ウラン鉱山を買ってしまった方が、はるかに安上がりという現実があります。

<再処理工場>
日本の原子力発電所は、それぞれの発電所の中にプールを作り、ウランを燃やした時に出る使用済み核燃料を貯蔵しています。 しかし、原子力発電所によっては数年でこのプールが一杯になってしまう状況です。 そこで、電力会社は六ヶ所村の再処理工場の近くに使用済み核燃料の貯蔵プールを作り、六ヶ所村のプールに移動しようとしているのです。 電力会社にとって、再処理工場本体が動くかどうかは問題ではありません。再処理工場に付属した貯蔵プールが使えれば良いし、使えなければ近いうち原発停止という事態になってしまうのです。

<まとめ>
原子力発電所でウランを燃やせば、使用済み核燃料、あるいは高レベル放射性廃棄物、どちらかの形の核のゴミが必ず出ます。 両方とも非常に強い放射能を持った物質です。 地下数百メートルの所に100年、200年、きちんと埋めて管理をする、そしてその後、人間社会から完全に切り離す、地層処分という処分をしなければなりません。 残念ながら今、日本の国の中で、使用済み核燃料であっても高レベル放射性廃棄物であっても、この核のゴミを処分する場所は見つかっていません。
私たちは核のゴミをどう処分するのか、あるいは高速増殖炉を本当に実現するのか、溜まってしまったプルトニウムをどう処理するのか――こうした問題を解決しなければなりません。

<核の抑止力>
原発を持つことが、「周りの国から見て核開発という抑止的機能を果たしている」という意見もある。 核兵器をつくるためには濃縮ウランか、プルトニウムが必要。 原発は、ウランを燃やしてしまうから、濃縮ウランで核兵器をつくるためには必要がない。 イランのようにどこかでこっそりウランを濃縮すればよい。 北朝鮮のように、ウランを燃やして使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して核兵器をつくるという方法がある。 しかし、日本の場合、すでにプルトニウムを45トンも取り出している。 8kgのプルトニウムがあれば核爆弾を一つ作れるので、すでに日本国内にあるプルトニウムだけで、数百発の核爆弾を作ることができる。 もし、本当にその気になればだが。 だから、日本が今後、原発を維持するかどうかは、核兵器開発の潜在能力とは既に関係がない。
           
posted by かさまつまさのり at 10:00| 政治

2013年02月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日の資料
社会保障抜本改革の視点 小黒一正一橋大学准教授(PDF)

国会版社会保障国民会議 世話人    
中谷元(自民)河野太郎(自民)木原誠二(自民)
上田勇(公明)大串博志(民主)浅尾慶一郎(みんな)

日 時 平成25年 2月20日(水) 17:00〜
場 所 衆議院第一議員会館1階 国際会議室
講 師 土居丈朗 慶應義塾大学教授
    小黒一正 一橋大学准教授

 国会版社会保障国民会議サイト
 http://www51.atwiki.jp/kokuminkaigi
posted by かさまつまさのり at 23:50| 医療

2013年02月07日

産科医療補償制度

産科医療補償制度
 2009年1月1日以降の出産に対して 「産科医療補償制度」 がスタートしました。 生まれた赤ちゃんが重症の脳性麻痺となった場合、看護・介護に必要な補償金が支給され、第三者で組織した調査機関で 「なぜそうなったか」 を分析してもらえる制度です。
 今までは、不幸にも脳性麻痺が残った場合 「なぜ、こういうことになったか知りたい」 と原因究明を願えば、医療訴訟を起こすしかなかったのです。 裁判を起こしても、敗訴すれば補償金がもらえませんでした。 さらに言えば、裁判ではお互い 「負けまい」 として自分たちに不利なことは言わないので、なかなか真実が出てきません。 結局 「再発防止のためにどうしたらいいか」 という次のステップにつながりませんでした。 今回の制度では、加入施設で出産し補償の対象となれば訴訟手続き無しで自動的に補償金が給付され、原因分析も受けられるようになりました。

 費用の話もしておきましょう。 産科医療補償制度開始に合わせ、出産施設のほとんどが分娩料を3万円値上げしました。 施設は、妊婦ひとりにつき3万円の保険料を払うことになったからです。 妊婦が保険料を負担しているかのようですが、その費用は、最終的には妊婦の入っている保険が負担します。 出産育児一時金が3万円多く支払われるのです。 妊婦の負担額はゼロにということになります。 現在、多額の余剰金が積み上げられ、脳性麻痺を対象とした医療補償制度には3万円も必要ないこともわかっています。

 さて、医療サイドは ”訴訟が激減する” を期待しています。 しかし、紛争の終点となる確約はありません。 アメリカでは無過失補償を貰えば訴訟はできませんし、訴訟をするなら無過失補償は貰えません。 もちろんこの選択は自由である。 ニュージーランドでは、医療過誤は法律で決まった額の補償を受け、訴訟は出来ない。 日本においてニュージーランド形式を採用するのは法的に無理があるという。 アメリカ形式は日本の現行法で可能であるという。 しかし、本制度の設計段階で、日本の法律家が補償金を貰うかわりに裁判を受けさせないというのは訟権の侵害にあたるという解釈をしため、今回の産科医療補償制度では補償金を貰え、克つ訟権を残すという形式になってしまった。 アメリカ形式を採用しなくてはこの制度の本来の意味を成さない。
 調査委員会の医学的判定が医師の過失無しの場合なら、補償金は貰い、あえて訴訟はおこさないだろう。 調査委員会の判定が過失あり、又は過失の可能性も考えられるとの判定を下したとき、補償金を受けた後でもその調査結果が紛争を誘発する可能性が出てくる。 これが証拠をして採用されるとき、医師は極めて不利な立場に立たされることとなる。

 産科医療補償制度が、医療訴訟も医療事故も減らすための保険となれればよいのですが。
posted by かさまつまさのり at 00:06| 医療

2013年02月05日

「大野病院事件」

「大野病院事件」
 先日このブログで、医師法第21条の条文において“異状死”という用語の定義が曖昧であることを書きました。
 医師法21条の矛盾 <その3> そもそも異状死とは?
 http://kasamatsu.sblo.jp/article/61957560.html
 異状死の定義が外科学会と法医学会で異なり、医療現場で混乱が起きているのです。 この“異状死”の解釈が問題で、「大野病院事件」が起こりました。 医師が捜査、逮捕、拘留された事件です。 しかしながら「大野病院事件」って何? という意見も多かったので、あらためてこの事件をまとめ、私が感じるいくつかの問題点を挙げてみたいと思います。
 福島県立大野病院産科医逮捕事件<通称「大野病院事件」>は、2004年12月17日に福島県双葉郡大熊町の福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた産婦が死亡した案件につき、手術を執刀した産婦人科の医師が業務上過失致死と医師法違反の容疑で2006年に逮捕、翌月に起訴された事件です。 結果は、2008年福島地方裁判所が被告医師を無罪とする判決を言い渡し、検察側が控訴を断念し、無罪が確定しました。

<手術経過>2004年12月17日
午後2時02分に麻酔を開始し、帝王切開手術を開始した。
体重3000gの女児を正常に娩出。その後胎盤剥離にうつった。
午後2時50分、胎盤娩出するも、胎盤娩出後も出血が継続。
午後4時35分、子宮摘出に移行し、午後5時30分に完了。
午後7時01分、妊婦死亡を確認。

<手術後の処理>
産婦死亡につき、医師は院長に報告し、医療準則に反する行為はなく通常の病死であり、異状死には当てはまらないと判断して警察署への24時間以内の届け出は行わなかった。

<医療事故調査委員会>
福島県が事故調査委員会を設置した。報告書は2005年3月に作成され、県に提出された。 この報告書は死亡原因に執刀医の判断ミスを認め、@胎盤が子宮の筋肉に付着していることに気付かなかった、A通常使わないはさみを使って切り離した、B大量の出血が続いたのに院内の他の医師に応援を頼まなかったこと、を指摘している。(実際は、県は医療側に過失ありとした上で、医賠責保険で保険会社から遺族への補償支払をスムーズにしようとしたと思われる)

<逮捕と起訴>
前述の医療事故調査委員会報告書がきっかけとなり、メディアで医療ミスと報じられ、警察が捜査に動くことになった。 2006年2月、福島県警は手術を執刀した医師を業務上過失致死と医師法に定める異状死の届出義務違反の疑いで逮捕。 福島地方裁判所に起訴された(3月14日に保釈)。

<裁判>
2008年6月、福島地方裁判所(鈴木信行裁判長)は被告人の医師に無罪判決を言い渡した。福島地方検察庁は控訴を断念し、地裁判決が確定した。
(判決内容 医師法違反部分)
1.医師法21条にいう異状とは、法医学的にみて普通と異なる状態で死亡していると認められる状態であることを意味する。 よって、診療中の患者が診療を受けている当該疾病によって死亡したような場合は、そもそも同条にいう異状の要件を欠く。
2.本件では、前置胎盤という疾病を持つ患者として手術に入り、その手術中に癒着胎盤という疾病が新たに見つかり、それに対する過失のない医療行為を講じたものの、出血性ショックとなり、失血死に至った。 つまり、手術中に見つかった当該疾病を原因とする、過失無き医療行為をもってしても避けられなかった結果であるので、同法における異状に該当するとは認められない。 よって医師法21条違反の罪は成立しない。(事実上、外科学会の異状死定義を取り入れた判決であった。)

<私が考える問題点>
(1)医賠責保険
 当初、医療事故調査委員会は医師の過失を認める報告書を作成し、これが警察の捜査や起訴を招くことになった。 医師の過失を認める報告書を書いたのは、前述のように福島県が遺族への補償支払をスムーズにするためであった。 医賠責保険で保険会社から金を引き出すには、医師の過失が必要だったためという。 この事件をきっかけに、医療においては過失の有無を問わない無過失補償制度が議論されるようになった。 一部ではあるが、2009年に産科無過失補償制度が実現した。 <この産科無過失補償制度についてもいずれこのブログで触れたい>。
(2)医療行為を業務上過失致死罪に問うことの問題
 結果の完全な予測が不可能な医療行為に対して、「結果が予見出来たにもかかわらずそれを回避しなかったこと」を罪とする業務上過失致死罪の適用はナンセンスであると考えます。 これがまかり通るとなれば、出産を始めとしたリスクを伴う医療行為を引き受ける医師は存在しなくなる。 そもそも、医療過誤としての過失を認定することが難しいであろう今回の事例に対して『医師の逮捕』まで行われたことは、臨床医に大きな脅威を与えた。 治療における医師の判断、手術法の選択にまで捜査当局が踏み込んだまさに『事件』である。
(3)異状死の定義
外科学会と法医学会で異なり、医療現場で混乱が起きている。

 当時、産経新聞は「大野病院事件はカルテの改竄や技量もないのに高度な医療を施した医療過誤事件とは違った。それでも警察の捜査は医師の裁量にまで踏み込んで過失責任の罪を問うた」と警察と検察を直接的に批判した。 同感である。 この事件は、特に昼夜を問わず地域医療に貢献していた医師の意欲を低下させ、またリスクに対しての萎縮を招いたと感じます。
posted by かさまつまさのり at 22:50| 医療

2013年02月03日

『医師法20条の誤解』

『医師法20条の誤解』

 在宅看取り現場で高齢者が自宅で亡くなった時、死因が老衰や病気であってもパトカーが来るという困った事態が実際に多発しています。 医師が、がん末期の在宅患者の訪問診療へ正午に出かけました。 その患者が翌日午後2時頃亡くなりました。 死因は誰が見ても明らかなようにがんで何の不審な点もありませんが、訪問に来て気づいたヘルパーが、警察を呼んだため、犯罪を前提とした取り調べが始まってしまったという例です。 警察は医療については基本的に何も分かりませんから、呼ばれたら取り調べするしかありません。 犯罪など起こっていないのに、まったく不思議な話です。 しかし現実には全国でこのような現象が頻発しているのが現状です。

 原因は、医師法20条の「24時間」という言葉の誤解釈です。
(医師法20条)
医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。 但し、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。

 「死亡診断書や死体検案書は、医師が自分の目で見て診断・検案した上でなければ発行できません。 死亡診断書の場合、医師は患者が死亡する場面に常に立ち会えるわけではないので、その場にいなくても24時間以内に診察していれば、死亡診断書を発行できます。 最後の診察から24時間以上経過していても、死亡後に診察を行い死亡確認したら、死亡診断書を書けます」という意味です。 文章としては何も問題はありません。

 ところが、これを「24時間以内に診察していなければ死亡診断書を発行できない」と誤解する人が続出しているのです。 さらには警察に届けるのはなぜでしょう。 条文のどこにも警察なんて書いてありませんが。

 問題は医師法21条です。
(医師法21条)
医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。

「医師は異状死を見たら24時間以内に警察に届けなければならない」というものです。

 近年、医療事故や医療訴訟などが取り沙汰された時期から、この医師法21条が医療者の間で有名になり過ぎたのです。 このブログでも、異状死の解釈で度々言及する法律です。 この法律が有名になりすぎました。 「24時間」という同じ言葉があるものだから、医師法20条該当例まで警察に届けなければならないというように間違って読まれてしまったわけです。 結果的に、「人が家で死んだら警察を呼ばないといけない」という誤解が広がりました。 困ったことに医師だけでなく、看護師や介護職など、看取りの現場にいるスタッフ、さらに一般の人たちにまで伝わっている場合があります。

 厚生労働省から昨年8月、実に63年ぶりとなる医師法20条の解釈通知が出ました。しかし、残念ながら浸透は遅いようです。
posted by かさまつまさのり at 09:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2013年02月02日

「先天性風疹症候群」と「ワクチン行政の不備」

「先天性風疹症候群」と「ワクチン行政の不備」
 困ったことがおこっています。 風疹が去年の春以降大流行し、去年1年間の患者数は過去5年間で最も多くなっているのです。 ことしに入ってからも流行は収まらず、先月20日までのデータでも去年と比べ9倍という。
 風疹流行で心配なのは 「先天性風疹症候群」 の発症。 妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんが心臓や耳、目などに障害が出る 「先天性風疹症候群」 になるおそれがあります。 国立感染症研究所によれば、去年10月から先月にかけて大阪、兵庫、埼玉、香川で生まれた合わせて6人の赤ちゃんが 「先天性風疹症候群」 と診断されたということです。
 何とか力ずくでも防がなければなりませんパンチ

 風疹の抗体が十分にない妊婦がいれば、夫を含め家族にも予防接種を受けてもらう必要があります。 風疹患者の8割近くが男性です。 妊婦が夫から感染するケースを防ぐ必要があります。

 なぜ、このような奇妙なことことがおこっているのかexclamation&question
 それは、20代から40代の男性は子どもの頃に風疹の予防接種を受けていないためです。

 日本の風疹ワクチンは1977年から、女子中学生を対象に始まりました。 その後、何度か制度が変わり現在は、一歳と小学校入学前一年の計二回、麻疹と風疹を防ぐMRワクチンを接種しています。
 今年の風疹報告をみると、患者453人のうち350人が男性。 うち20代と30代が6割を占め、女子中学生だけが接種対象だったり、接種率が低かったりした世代と重なります。<実際に、20代後半の男性の10人に一人、30〜50代前半の男性の4人に1人は、風疹への免疫がない。女性も、接種の機会が一回しかなかった20代以上で、免疫のない人が5%ほどいるという。>

 ワクチンは複数回、接種しても大丈夫なので、流行している今年は、妊娠する可能性がある人やその夫などは、免疫(抗体)の有無を検査する手間を省き、接種してもいいと考えられます。ただし女性はワクチン後二カ月間、避妊する必要があります。

 さらに、この問題の奥が深いのは、無料で受けられる接種期間中に、受けていない子が多数いること。 最も接種率が高い1歳児でも、08〜10年度に未接種だった子は全国で計18万人に上るという。 高校三年相当年齢では81万人とも言われます。

 これまで、ワクチンについていろいろ書いてきました(下記参照)。
 ワクチンの話B 必要なワクチンがなぜ任意接種?
  http://kasamatsu.sblo.jp/article/42711098.html
 ワクチンの話A 任意接種は「受けなくていいもの」でしょうか?
  http://kasamatsu.sblo.jp/article/42686373.html
 ワクチンの話@ 予防接種法の法定接種は国民に接種義務はない!
  http://kasamatsu.sblo.jp/article/42644933.html
 
 1948年に予防接種法が制定された当時は、罰則付きの義務接種でした。 刑事罰ですから、要件を満たせば逮捕もできたわけです。 しかしその後、ワクチン接種後の有害事象が、ワクチンによる副作用だと思われ(実はワクチンが原因ではなかったものがたくさんあります)訴訟などの紛争を繰り返してきました。 国家賠償訴訟で国の責任や財政負担を認められることを恐れた国は、国の関与の度合いを減らす政策を考えました。  まず1976年に罰則を廃止。 1994年には義務接種を廃止し、接種対象者の努力規定とそれに対応した市町村等の行政による積極的な勧奨となりました。現在の予防接種法では 「受けるよう努めなければならない」 という努力義務となっています。 国民側から見れば、ワクチンを受けることを強制されないのですから、個々人の判断で決める点では、任意接種とまったく同じとなったわけです。

 このような予防接種法も見直す必要がありそうです。 社会全体のために!
           
posted by かさまつまさのり at 17:43| 医療