先日、厚生労働政務官である岡本充功衆議院議員(写真)の話を聞く機会がありました。 厚生労働省の三役は、細川大臣をはじめ労働分野の方がほとんどで、政務官である岡本氏が厚生関係を一手に担当する形になっています。

その際にも話題になりましたが、現在、厚労省予防接種部会では予防接種の改革にが検討されています。 『半分は国の公費、半分は地方交付税を用いた市町村への補助』 すなわち国民負担ゼロの予防接種のスキームが検討されています。 今日は少し「ワクチン後進国」といわれる日本の現状を書いてみます。
我が国は 「ワクチン後進国」 と言われています。 ワクチン施策において他の先進諸国から大きく立ち遅れています。 細菌性髄膜炎は、先進国ではいまや 「過去の病」 であり、麻疹にいたっては 「日本は輸出国」 と嘲笑される状況です。
VPD(Vaccine Preventable Diseases)<ワクチンで防げる疾病>という概念があります。 とりわけ日本では乳幼児期のVPD被害は深刻です。 細菌性髄膜炎と麻疹、水痘の3つの疾病に限っても、毎年数10名の乳幼児が死亡していると推計されます。 VPDに罹患したことによる後遺障害は数百名規模で生じていると推計されており、看過できる状況ではありません。 先にも書きましたが、細菌性髄膜炎はいまや世界では 「過去の病」 であるにもかかわらずです。
予防接種の恩恵は 「疾患に罹患しないこと」 であり、VPD被害を防ぐことです。 不幸なことですが、日本国内では予防接種はその恩恵の大きさに反し、恩恵そのものがニュースとなることは殆ど無く、一方で、接種後に起きた変化、すなわち『接種後有害事象』は、その原因が予防接種やワクチンにあるかどうかを問わず、衆目を集めることとなっています。 『有害事象』 とは、接種や服薬後に見られた総ての“悪いこと”の総称です。 この中にはワクチンや薬による真の副作用と、偶然起こった別の原因によるニセの副作用の両者が含まれています。 日本では有害事象の総てが真の副作用と誤解されています。 犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛めばニュースとなるのです。
ワクチンには大変稀ですが真の重大な副作用が存在しますが、メリットが大きくデメリット上回るから、世界中で、国によっては強制接種にしてまでも、推進してきたのです。 最後に国立感染研究所情報センター長の岡部信彦先生の文章を記述します。
『最も副反応発生頻度が高い麻疹ワクチを200万人に注射すると(確率的に)ワクチンと関連が疑われる死亡者が1人出る。 しかし、それを恐れて予防接種を受けないと200万人の患者中2千人が死亡する。 副反応が出てよいわけではもちろんないが、予防接種自体をやめてしまってはいけない』
まさにこれを国民が知るべきなのです。