2013年02月23日

河野太郎代議士『わが国のエネルギー問題について』

河野太郎代議士『わが国のエネルギー問題について』
 愛知政治大学院<2月16日>の講義は、河野太郎代議士 『わが国のエネルギー問題について』 でした。 わかりやすいお話でした。 皆さんにも知っていただきたいのでまとめました。
           
                 当日配布のまとめ<クリックPDF>

<ウラン、使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物>
日本では、ウラン燃料を原子力発電所で燃やしています。 ウランを燃やすと、使用済み核燃料と呼ばれる核のゴミが出ます。 使用済み核燃料を再処理すると、プルトニウムを取り出すことができます。 この残りが高レベル放射性廃棄物です。 青森県の六ヶ所村に作られたのが、この再処理をするための工場です。

<高速増殖炉>
プルトニウムを、高速増殖炉と呼ばれる特殊な原子炉で燃やすと、発電をしながら電力を取り出しながら、投入した以上のプルトニウムが取り出される。(プルトニウムがよりたくさんのプルトニウムを生み、それがまたこの高速増殖炉の燃料になる)

<核燃料サイクル>
ウランから始まって高速増殖炉に到る、これを核燃料サイクルと呼んでいます。 30年以上前、核燃料サイクルをきっちりやろうということで、日本は原子力発電をスタートしました。 しかし今、現実にこの高速増殖炉は、残念ながら実用化にはほど遠いのが現実です。

<高速増殖炉、プルトニウム>
日本の国はプルトニウムを45トン保有しています。そのかなりの部分は、再処理をイギリス、フランスにお願いをしている。 プルトニウムというのは核爆弾の、核兵器の材料です。 北朝鮮が、わずか50キログラムのプルトニウムを持っているだけで大騒ぎになりました。日本は北朝鮮の1000倍近いプルトニウムを保有している。 六ヶ所村に作られた再処理工場は、稼働すると1年間に8トンのプルトニウムを生み出す能力があります。(プルトニウムを燃やす高速増殖炉はあと40年以上は実用化されません。 再処理工場から8トンずつプルトニウムが出て来る。 大変おかしな状況になっています。)

<プルサーマル>
経済産業省と電力会社は、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料というものを作って、MOX燃料を原子力発電所で燃やす、プルサーマルということを始めようとしています。 なぜこんなことをするかといえば、プルトニウムとウランを混ぜて原子力発電所で燃やして、少しでもプルトニウムを消費するためです。 電力会社と経済産業省は、プルサーマルをウラン資源の再利用だと宣伝しています。 しかし実際このMOX燃料は、ウランが9に対してプルトニウムが1の割合で混ぜられています。 ウラン燃料がたった1割節約になるだけです。 ウラン鉱山を買ってしまった方が、はるかに安上がりという現実があります。

<再処理工場>
日本の原子力発電所は、それぞれの発電所の中にプールを作り、ウランを燃やした時に出る使用済み核燃料を貯蔵しています。 しかし、原子力発電所によっては数年でこのプールが一杯になってしまう状況です。 そこで、電力会社は六ヶ所村の再処理工場の近くに使用済み核燃料の貯蔵プールを作り、六ヶ所村のプールに移動しようとしているのです。 電力会社にとって、再処理工場本体が動くかどうかは問題ではありません。再処理工場に付属した貯蔵プールが使えれば良いし、使えなければ近いうち原発停止という事態になってしまうのです。

<まとめ>
原子力発電所でウランを燃やせば、使用済み核燃料、あるいは高レベル放射性廃棄物、どちらかの形の核のゴミが必ず出ます。 両方とも非常に強い放射能を持った物質です。 地下数百メートルの所に100年、200年、きちんと埋めて管理をする、そしてその後、人間社会から完全に切り離す、地層処分という処分をしなければなりません。 残念ながら今、日本の国の中で、使用済み核燃料であっても高レベル放射性廃棄物であっても、この核のゴミを処分する場所は見つかっていません。
私たちは核のゴミをどう処分するのか、あるいは高速増殖炉を本当に実現するのか、溜まってしまったプルトニウムをどう処理するのか――こうした問題を解決しなければなりません。

<核の抑止力>
原発を持つことが、「周りの国から見て核開発という抑止的機能を果たしている」という意見もある。 核兵器をつくるためには濃縮ウランか、プルトニウムが必要。 原発は、ウランを燃やしてしまうから、濃縮ウランで核兵器をつくるためには必要がない。 イランのようにどこかでこっそりウランを濃縮すればよい。 北朝鮮のように、ウランを燃やして使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して核兵器をつくるという方法がある。 しかし、日本の場合、すでにプルトニウムを45トンも取り出している。 8kgのプルトニウムがあれば核爆弾を一つ作れるので、すでに日本国内にあるプルトニウムだけで、数百発の核爆弾を作ることができる。 もし、本当にその気になればだが。 だから、日本が今後、原発を維持するかどうかは、核兵器開発の潜在能力とは既に関係がない。
           
posted by かさまつまさのり at 10:00| 政治