2015年07月05日

オートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)

オートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)

 今年10月に医療事故調査制度が始まります。『予期しなかった死亡』について、病院・診療所を問わず報告の義務が生じます。死因究明の方法としてのオートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)をまとめてみました。
 オートプシー・イメージング(Autopsy imaging、Ai)とは、「Autopsy=検死」、「imaging=画像診断」という造語で、画像診断によって死因を検証するというもの。略語として「Ai」と称される。コンピュータ断層撮影(CT)や核磁気共鳴画像法(MRI)などによって撮影された死後画像(Postmortem Imaging = PMI)により、死体にどのような器質病変を生じているのかを診断することによって、死亡時の病態把握、死因の究明などを行うシステムである。
 特にERなどでは、以前から死因が体表からではわからない症例に対して、正確な死亡診断書・死体検案書を作成するためにAiを活用するようになっている。救急搬送される症例には、自宅での服毒自殺や幼児虐待などの外因死の可能性がある症例が含まれる。体表の情報からこれらを判断するには限界があるが、Aiを取り入れることにより正確な判断が可能になり、外因死などが疑われる場合には、所轄の警察署へ検視依頼を行っている。
 今の日本においては極く少数の例にしか適用されていない「死亡時医学検索」がシステムとして確立されれば、医療の質を高める上で大いに寄与するものとなる。
 また、2005年時点での日本国内のCT普及率は人口100万人あたり92.6台、MRIは35.3台と国際的な平均値の6 - 7倍と格段に多い数値(OECD調べ)であり、日本国内の環境そのものは十二分に整備されている。

Aiを理解するための7×7のステップ 医師・作家 海堂尊 先生
『現在の日本社会の宿痾のひとつ、「死因不明社会」という病は、現存の解剖制度を土台とした死因究明制度の下で発症している。したがってその病因は解剖制度そのものに内在しており、従来の解剖制度のマイナーチェンジや多少の充実では、根治しない。 医療が死因不明社会を治療するための新薬の処方箋、それが「Aiの社会導入」である。』
http://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/reading/proposal/proposal_91.php

「できることから始めました。−市中病院の試行錯誤の3年間−」千曲中央病院 宮林 千春先生
『救急Aiについては、多くの施設でされているとおり、救急医療の延長でAiが施行され、死に至った病態、原因を遺族に告げられることが多い。その費用を誰が負担するか。救急医療の延長であることを理由に保険請求をしている施設もあれば、院長の一声で持ち出しにしている施設もある。救急医が現場で苦悩するAiの費用負担を保険請求することが社会問題になるのであれば、それはそれで正面から費用負担に関する議論をする絶好の機会である。』
http://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/reading/proposal/proposal_92.php
           
posted by かさまつまさのり at 06:14| 日記

2015年06月27日

HPVワクチン関連神経免疫症候群(Human Papillomavirus (HPV) Vaccination Associated with Neuro-immunopathicSyndrome :HANS)

HPVワクチン関連神経免疫症候群(Human Papillomavirus (HPV) Vaccination Associated with Neuro-immunopathicSyndrome :HANS)
一般財団法人難病治療研究振興財団 より
http://jmrf-nanbyou.org/pdf/news_vol3_1.pdf
 HANSは、一昨年末より線維筋痛症外来に若年性線維筋痛症と診断されて紹介を受け受診する少女達の一部に、HPVワクチンを接種した後に若年性線維筋痛症の症状の他にFMではみられない下垂体異常、中枢神経異常、ホルモン異常などの多彩な症状が出現している患者様がいたことから、本財団の調査研究チームが昨年6月にモスクワで開催された国際学会で提唱した全く新しい疾患概念です。
 多くの医療機関では、HPVワクチン接種後の副反応であるにも関わらず、厚生労働省が定義している接種後30日以内発症という縛りに捉われて、患者様がHPVワクチン接種との関係を訴えても時間的経過が長いということから副反応と認めず、疼痛の治療をするのみで、多彩な神経免疫症状については心因性のものであると診断をしています。これにより多くのHANS患者様が適切な治療を受けることができずにいると考え、本財団では医療相談の窓口を開設し、現在110名を超える患者様の対応をしております。しかしながら、HANSの概念を理解し、診療をすることができる医療機関、臨床医はまだわずかであり、本財団研究チームの臨床医は関東に集中しているのが現実です。今後、治療を推進していく上で全国にこの概念を拡げることが急務であり、この疾患に苦しんでいる少女達を救済するために必要不可欠であると考えております。
 厚生労働省副反応検討委員会は、海外でHANSの症状を訴える患者様はいないという見解を示していましたが、本財団の調べによりヨーロッパ諸国、アメリカ、インド、ロシアなど世界各国で同様の症状を訴える患者様がいることが明らかになってきました。昨年末、本財団が発表したHANS診断基準を知ったデンマークのコペンハーゲンにある国立Frederiksberg病院から、デンマーク国内でも同様の症状で苦しんでいる患者様が多数おり、この病院でも80名以上のHANSの患者様の治療に苦慮していることから病態解明・治療法の確立に向け、本財団と共同研究を行いたいと要請があり、昨年12月に共同研究を進めることになりました。
 またこれを受け、本年1月にデンマーク国立Frederiksberg病院から担当医が来日し、本財団の研究チームと症例の検討を行い、共通プロトコールを用いた病態調査を実施することが了承されました。現在、デンマークと日本の2国間でこの共通プロトコールによる病態調査を実施しており、順調にデータが集積され、解明が進んでいます。

HPVシンポジウムを終えての座長取りまとめ より
http://www.med.or.jp/nichinews/n270105f.html
 HPVワクチン接種後に発生した症状とワクチンとの因果関係の有無及び病態については,本日のシンポジウムでも示されたように,専門家の間でもいくつかの異なる見解がある。今後も専門家による究明の努力が重要であると考える。これらの症状を呈した被接種者に対しては,HPVワクチン接種との因果関係の有無や病態にかかわらず,その回復に向けて,日本医師会・日本医学会が行政と共に,治療・支援体制を強化することが大切である。ワクチンには接種をすることによるリスク(副反応)と,しないことによるリスク(疾病予防機会の喪失)の両面があることを踏まえ,国においては,引き続きワクチン接種のあり方について,現時点で得られている科学的根拠に基づいた検証を行い,結論を得るべく努められたい。
posted by かさまつまさのり at 10:22| 日記

2013年05月30日

日本独特な『医療事故調』

日本独特な『医療事故調』

 厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等に関する検討部会」は昨日(5月29日)、全医療機関に対し「診療行為に関連した予期しない死亡事例」の第三者機関への届出を義務付けるほか、医療事故の調査を行う第三者機関の設置を骨子とした報告書、「医療事故に係る調査の仕組み等に関する基本的なあり方」をまとめた。
http://www.m3.com/iryoIshin/article/173241/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin
 医療現場に身をおく立場からみるととても残念な内容である。 世界基準から大きく外れた”日本独特のシステム”なのである。 このようなスキームでは、再発防止などは無理です。 さらに医療現場を萎縮させることになりそうである。

 世界の標準を示しておきたい。 2005年にWHOが『有害事象の報告とそれに学ぶシステムについてのWHOガイドライン草案』を発表している。
http://www.who.int/patientsafety/events/05/Reporting_Guidelines.pdf
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 ・報告したものが必ず守られる
 ・建設的なやり取りと、有意義な分析があることが、報告も唯一の価値である
 ・習熟には専門的知識と適切な財源が必要である。報告書を受理する機関は、情報を普及させ、改善に対する提言を行い、解決方法の発展を伝えられることができなければならない

 とした上で以下の7つの条件を明示している。

7つの条件
1 Non-punitive 罰せられない
 報告したことによって、報告をした本人が自分にな対する報復と、他者への罰則の心配をする必要がないこと
2 Confidential 秘密性が保たれる
 患者の情報、報告者の情報、組織の情報が決して漏洩しないこと
3 Independent 独立性がある
 報告システムは、報告者や組織を処罰するどのような当局からも独立していること
4 Expert analysis 専門的な分析がなされる
 報告書は、臨床状況を理解し、潜在的なシステムに起因する原因を認識できるように訓練された専門家によって評価されること
5 Timely 時宜を得ている
 報告書は迅速に分析され、とりわけ重大な事故が起きたときには、提言を知りたいと考えている人々に迅速に伝達されること
6 Systems-oriented システムに由来している
 個人の行為に焦点を当てるのではなく、システムの改善、プロセス、製品に着目した提言になっていること
7 Responsive 情報のやりとりがある
 報告書を受理する機関が、提言を普及させること。可能なときには、加入している組織が提言の実行にかかわることができること
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 今回の日本案が、”成功する報告システム”となっていないのは明らかです。 事故の原因究明と再発防止が主眼とし、関係者・個人の責任は問わないのは常識です。 世界の常識から外れた日本 『医療事故調』 が更なる医療崩壊を招かないか心配です。
           
posted by かさまつまさのり at 08:40| 日記

2013年05月25日

衆参同日選挙の可能性と「針の穴解散」<別名>「死んだふり解散」

衆参同日選挙の可能性と「針の穴解散」<別名「寝たふり解散」>
 参院選がいつ実施されるのかはまだ実はまだ決まっていない。 7月21日(日曜)の投開票と憶測されているだけである。

 参議院議員通常選挙は公職選挙法32条1項により任期満了の日の前30日に行うこととされている。
<公職選挙法第三十二条>
 参議院議員の通常選挙は、議員の任期が終る日の前三十日以内に行う。

 しかし、この規定には例外規定がある。
<公職選挙法第三十二条2>
 前項の規定により通常選挙を行うべき期間が参議院開会中又は参議院閉会の日から二十三日以内にかかる場合においては、通常選挙は、参議院閉会の日から二十四日以後三十日以内に行う。

 つまり、国会が会期延長される場合には、参議院閉会の日から二十四日以後三十日以内に行うことになる。

 現在開会中の国会会期末は6月26日。 他方、参議院の任期満了は7月28日。 したがって、参院選は7月14日ないし7月21日に実施されるとの見通しが示されているのである。先に示したように、仮に国会会期が延長た場合は、この限りではない。 8月選挙という可能性もありうるのである。

 過去の歴史をみてみよう。「針の穴解散」<別名、「死んだふり解散」>である。
 昭和61年、中曽根康弘内閣総理大臣は在任4年目に突入。 世論調査では高い内閣支持率を保っており、衆参同日選挙を目論んでいた。 しかし、前年の昭和60年、最高裁判所が衆議院の一票の格差に対し違憲判決を出しており、この問題が解散の障害となっていた。 そこで政府・与党は議員定数不均衡を是正するために公職選挙法改正案を提出し、昭和61年5月22日に参議院本会議で可決・成立させ議員定数不均衡問題を解決した。 しかし、同日選に反対する野党との妥協により改正法には新定数に関する30日の「周知期間」が設けられた。 また、後藤田正晴内閣官房長官らが「この法改正で首相の解散権は制限される」旨の発言をおこなったことで、同日選実施を断念したと思われていた。 ところが、中曽根内閣は突如6月2日に臨時国会を開会し、冒頭で衆議院解散することを閣議決定。 本会議を開かずに議長応接室に各会派の代表を集め、衆議院議長が解散詔書を朗読して衆議院解散となった。 政府は7月6日に参院選と同時に衆院選を行うことを決定し、史上2度目の衆参同日選挙となった。
 中曽根首相が「正月からやろうと考えていた。定数是正の周知期間があるから解散は無理だと思わせた。死んだふりをした」と述べ、早期解散はできないと思わせたことを「死んだふり」と表現したことから、「死んだふり解散」という解散名が定着した。

 さて、今も状況は似ている。 安倍首相は高い内閣支持率を保っており、衆参同日選挙を目論んでいても不思議はない。 4月23日、衆議院本会議で「0増5減」法案が可決し、参議院に送付された。 参議院は与党過半数割れのため、「60日ルール」による再可決を使うと、最短で会期末の5日前、6月21日に衆議院で再可決して法案が成立する。
 「7月21日の同日選」なら公示日は7月9日。
 「7月28日の同日選」なら公示は7月16日。
 新区割りに30日の「周知期間」を設定すると、改正法案の施行は7月20日以降となり少しだけ間に合わない。
 安倍首相が衆参同日選挙を考えるなら、 @「60日ルール」による再可決以前に法案を可決する、A国会会期を延長し参議院議員通常選挙日程を延ばす、などの中曽根元首相のような「針の穴」を通り抜ける妙案が必要なのですが、有り得ないことではありません。

 私が、安倍首相なら衆参同日選挙をするパンチ 誰も聞いてないね(笑)たらーっ(汗)
    
posted by かさまつまさのり at 15:02| 日記

2013年02月28日

「国会版社会保障国民会議」2月27日

「国会版社会保障国民会議」2月27日

「国会版社会保障国民会議」2月27日の資料

河野太郎代議士資料(PDF)
土居丈朗慶應義塾大学教授資料(PDF)

日 時 平成25年 2月27日(水) 17:00〜
場 所 衆議院第一議員会館1階 国際会議室

 国会版社会保障国民会議サイト
 http://www51.atwiki.jp/kokuminkaigi
posted by かさまつまさのり at 22:00| 日記

2013年02月27日

2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPVの3ワクチン定期接種化

ワクチンの話C 『2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPVの3ワクチン定期接種化』
 先月1月27日、厚生労働、財務、総務の3大臣による折衝が行われ、2013年度からヒブ、小児用肺炎球菌、HPV(ヒトパピローマウイルス)の3ワクチンを定期接種とすると報道されました。
 『子宮頸癌、ヒブ、肺炎球菌を定期接種化へ』http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20130204/339061/

 『ワクチンの話B 必要なワクチンがなぜ任意接種?』 など、ワクチン行政を批判してきた私としても大変喜ばしいことです手(チョキ)

 しかし、詳しく内容を見てみると何故か心配なことだらけです。

 29日には各地方自治体宛に厚生労働省並びに総務省から「9割公費負担」に係る事務連絡がでました。これらの内容からわかることは、
・ヒブ、小児用肺炎球菌、HPVが定期接種となること
・新たに追加する3ワクチンを加えた全ての定期接種の費用の9割を公費負担とすること
・9割の公費負担は、普通交付税措置を講じることで実現すること
です。

 新たな3ワクチンだけではなく、従来からの定期接種にかかる費用も「9割公費負担」の対象としていることなど評価すべきところです。 しかし、「9割公費負担」の中身は、住民税年少扶養控除廃止による増税分です。 それでも予防接種費用の9割に満たない部分を地方交付税で補う、というものです。
 年少扶養している保護者からの増税分を財源にする手法が「9割公費負担」と呼ぶにふさわしいかは疑問ではありますパンチ
           
posted by かさまつまさのり at 17:39| 日記

2013年01月26日

医師法21条の矛盾 <その3> そもそも異状死とは?

医師法21条の矛盾 <その3> そもそも異状死とは?

 医師法第21条の条文は以下のとおりです。 『医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届けなければならない』。 これが異状死を届けなさいと言う条文ですが、この“異状死”という用語の定義が曖昧で、届出側の主観で判断されることが多々あります。 実際、異状死の定義は外科学会と法医学会でその解釈が異なり、現場で混乱が起きているのが現状です。
そもそも異状死とは何か?をこの項では書いてみます。

まず、外科学会、法医学会、両者の主張を示します。

T、外科学会
異状死とは犯罪性があると推測されるもの。医療行為の後の死亡は犯罪性は疑われない。よって疾患が原因での死は警察への届けは必要ない。医療過誤か否かはその後専門的な検討を行って初めて明らかになるものであって死亡した時点での警察への届け出の対象とはならない。疾患の治療として行われた行為による死は異状死の定義に入らない。


U、法医学会
 法医学会が提唱した異状死の定義
【1】外因による死亡(診療の有無,診療の期間を問わない)
(1)不慮の事故
A.交通事故
運転者,同乗者,歩行者を問わず,交通機関(自動車のみならず自転車,鉄道,船舶などあらゆる種類のものを含む)による事故に起因した死亡.自過失,単独事故など,事故の態様を問わない.
B.転倒,転落
同一平面上での転倒,階段・ステップ・建物からの転落などに起因した死亡.
C.溺水
海洋,河川,湖沼,池,プール,浴槽,水たまりなど,溺水の場所は問わない.
D.火災・火焔などによる障害
火災による死亡(火傷・一酸化炭素中毒・気道熱傷あるいはこれらの競合など,死亡が火災に起因したものすべて),火陥・高熱物質との接触による火傷・熱傷などによる死亡.
E.窒息
頸部や胸部の圧迫,気道閉塞,気道内異物,酸素の欠乏などによる窒息死.
F.中毒
毒物,薬物などの服用,注射,接触などに起因した死亡.
G.異常環境
異常な温度環境への曝露(熱射病,凍死).日射病,潜函病など.
H.感電・落雷
作業中の感電死,漏電による感電死,落雷による死亡など.
I.その他の災害
上記に分類されない不慮の事故によるすべての外因死.
(2)自殺
死亡者自身の意志と行為にもとづく死亡.
縊頸、高所からの飛降,電車への飛込,刃器・鈍器による自傷,入水,服毒など.
自殺の手段方法を問わない.
(3)他殺 
加害者に殺意があったか否かにかかわらず,他人によって加えられた傷害に起因する死亡すべてを含む.絞・扼頸、鼻口部の閉塞,刃器・鈍器による傷害,放火による焼死,毒殺など.加害の手段方法を問わない.
4)不慮の事故,自殺,他殺のいずれであるか死亡に至った原因が不詳の外因死
手段方法を問わない.
【2】外因による傷害の続発症、あるいは後遺障害による死亡
例)頭部外傷や眠剤中毒などに続発した気管支肺炎
  バラコート中毒に続発した間質性肺炎・肺線維症 
  外傷,中毒、熱傷に続発した敗血症・急性腎不全・多臓器不全
  破傷風、骨折に伴う脂肪塞栓症など
【3】上記【1】または【2】の疑いがあるもの
外因と死亡との間に少しでも因果関係の疑いのあるもの.
外因と死亡との因果関係が明らかでないもの.
【4】診療行為に関連した予期しない死亡、およびその疑いがあるもの
(1)注射・麻酔・手術・検査・分娩などあらゆる診療行為中,または診療行為の比較的直後における予期しない死亡.
(2)診療行為自体が関与している可能性のある死亡.
(3)診療行為中または比較的直後の急死で,死因が不明の場合.
(4)診療行為の過誤や過失の有無を問わない.
【5】死因が明らかでない死亡
(1)死体として発見された場合.
(2)一見健康に生活していたひとの予期しない急死.
(3)初診患者が,受診後ごく短時間で死因となる傷病が診断できないまま死亡した場合.
(4)医療機関への受診歴があっても,その疾病により死亡したとは診断できない場合.
(5)その他、死因が不明な場合.


 このように、異状死の解釈は法医学会、外科学会等でその解釈がまちまちです。 これをいかに客観的に扱うことが出来るかが課題となってきます。 明確な定義がないため実際にはしばしば異状死の届け出について混乱が生じているのが現状です。

 大野事件のような妊産婦死亡はどうすればいいでしょう。 外科学会の定義で行くと、妊婦の死亡は医学的説明が付けば届け出の必要はない。 もし犯罪性が疑われれば届ける。そうでなければ届けなくてよい。 対して法医学会の定義では、“注射・麻酔・手術・検査・分娩などあらゆる診療行為中,または診療行為の比較的直後における予期しない死亡”と明記されていますから分娩中、分娩直後に死亡したのは異状死の定義に入ります。 法医学会は妊婦死亡は全例届けろ。 外科学会は病死ということがはっきりしている場合は届ける必要はない。と言っています。 さてどうしましょう。 ここでどちらが正しいか議論するつもりはありません。 しかし、実際の問題として妊婦の死亡を24時間以内に届けなかったとして捜査、逮捕、拘留という事件が起こっているのが今の医学現場での大問題なのです。

医師法21条の矛盾 <その2>http://kasamatsu.sblo.jp/article/61610828.html
 医師法21条が、現代医療を規定するルールとして機能していない。
医師法21条の矛盾 <その1>http://kasamatsu.sblo.jp/article/61507398.html
 古き法律『医師法21条』の歴史と、時代に変化に対する矛盾。
posted by かさまつまさのり at 10:00| 日記

2013年01月21日

『軽減税率』その2〜控除対象外消費税〜

『軽減税率』その2〜控除対象外消費税〜

 昨日は、『軽減税率』その1 を書きましたが、医療現場でも大変な問題が起こっています。 『控除対象外消費税』です。

 医療機関が購入する機械や薬には消費税がかかります。 しかし、保険診療は非課税なので、医療機関が患者から受け取る料金には消費税を上乗せすることができません。 そのままだとこの差額分が病院の負担(損税)となってしまうのです。 最終消費者ではないにも関わらずです。

 厚生労働省は診療報酬にその分を上乗せしていると説明しています。 つまり、病院が仕入れに払った消費税に相当する金額を、診療報酬に盛り込んで病院の負担分と相殺できるようになっていると説明します。 診療報酬は数千項目もありますが、消費税分が上乗せされているとされる<厚生省が説明する>項目は、注射、検体検査、血液検査、義歯など、比較的仕入れとの対応がはっきりしている項目や疾患療養指導料、皮膚科特定疾患指導料などわずか数十項目。 これらの診療報酬に上乗せされている金額が、医療機関が負担している消費税総額と同額だとはとても考えにくい。

 そもそも、窓口負担は最大でも3割なので、診療報酬に上乗せされた金額を全て患者が負担するわけではありません。 また、消費税分を診療報酬に上乗せしているというならば、医療費を非課税にした意味が薄れています。

 現在非課税の医療費にも消費税を課税して、その税率を0%にすればこうした問題も解決できるのではないでしょうか<ゼロ税率>。 医療費の消費税をゼロ税率課税すると、医療機関の売上にかかる消費税は0%ですが、仕入れにかかる消費税額が仕入れ税額控除の対象になり、仕入れにかかった消費税額が税務署から還付されます。 現在は、非課税なので仕入れ税額控除の対象になりません。 そうなれば、患者が支払う薬代や診療報酬に消費税相当分が上乗せされることもなくなるのです。

 これから、消費税が8%、10%となれば、医療機関の利益はこの損税に消えていく運命にあります。早急に対策をとらないと、地域医療はさらなる崩壊へとつながっていきます。

 詳しくお知りになりたい方は、愛知県医師会理事加藤雅通先生がまとめた病院
「社会保険診療の損税について」〜控除対象外消費税〜
 http://kasamatsu.sakura.ne.jp/166.pdf
 を参照ください。
posted by かさまつまさのり at 20:02| 日記

2013年01月20日

『軽減税率』その1

『軽減税率』その1
 自公与党で軽減税率が検討されている。 特に公明党が強く主張しているようである。 『軽減税率』は消費税逆進性対策のひとつで、「生活必需品にかかる消費税負担を軽減するもの」である。 言葉で聞くと良いものに感じますが、現実に実行するとなるとさまざまな問題がでてくる。

(1)まず「なにが生活必需品か?」の定義が明確ではない。
 軽減税率対象となる生活必需品の線引きをしなければならないが、これがきわめて大変であろう。 "業界の政治力の強さ"が軽減税率となるかどうかの決め手となりかねない。 消費税導入前の個別間接税時代に、政治力の違いから 「コーヒーは課税だけれどもお茶は非課税」 というどうみても不公平な状態が存在したのは記憶に新しい。
 消費税導入時の趣旨は、「価値観の多様化した時代に、政府が個別にぜいたく品を決めてそれに課税するという考え方は合わないので、それに替えて価格(付加価値額)に応じて公平に税負担をしてもらう消費税にする」であったはずである。 『軽減税率』は、消費税導入時の趣旨を損ね、事実上の個別間接税の復活になりかねない。

(2)また、事業者が消費税を納めるにあたって仕入れ税額控除を行う際に、標準税率の品目と軽減税率の品目とを区別しなければならなくなりなり事務コストも増える。

(3)さらには、課税ベースが小さくなるので、消費税率を将来さらに引き上げる必要が出てくるのは確実である。 ヨーロッパで標準税率が高い一因には、軽減税率の存在もあることを忘れてはならない。 消費税1%=税収2兆5千億円の公式が崩れるのである<消費税1%が2兆円であったり、1兆5千億円であったり>。
 軽減税率で税収が減っても良いというならば、むしろ軽減税率をやめて税率を一律にもっと低くすることも可能ともいえる。 財務省の試算では、食料品全体に5%の軽減税率を適用すると、消費税10%で入るはずの税収を確保しようとすれば、その他の物品の消費税率を12.5%にしなければ税収は確保できないという。 消費税を10%にして食料品だけに5%の軽減税率を適用し、その分は税収が落ち込んでもよいというならば、軽減税率をやめて一律8.3%の消費税にすれば同じ税収を確保することができる。

 こうしたさまざまな問題を考えると、軽減税率は考え方としては好ましいかもしれませんが、現実には問題がきわめて大きいと考えます。 国会で慎重な議論をお願いしたい。
posted by かさまつまさのり at 12:54| 日記

2011年03月20日

東日本大震災被害総額20兆円と「フロー」「ストック」

東日本大震災被害総額20兆円と「フロー」「ストック」

 東日本大震災の被害総額は、20兆円規模に達する可能性が高いようです。 例によりマスコミが 「被害総額20兆円」 の意味を理解せず、日本経済破綻論に結び付けるフレーズを用い、日本国民を煽ろうとすることには注意が必要です。

 「東日本大震災の被害総額は20兆円。この金額は、日本のGDPの4%に相当します」
  ってやつです ちっ(怒った顔)

 震災による被害とは 「ストック(蓄積)」 の話しであって、 「フロー」 の話しではありません。 ストックについて語りたいのであれば、当然ストックと比較しなければなりません(もちろん生産資産というストックが傷ついた分、フローにも痛みが発生するのは確かですが)。
 09年時点の日本の「ストック」非金融資産の額は、2446兆円です。 すなわち、今回の地震により、日本の国富は1%弱失われたことになりそうです。
 今回の震災で、日本の国富が20兆円以上も失われた可能性があるわけで、それはもちろん大変な問題です。 しかし、復興報道に際し、マスコミはきちんと 「フロー」 と 「ストック」 を切り分けてほしいものです。

 さて、この連休はどのように過ごされますか? 
 被災地で被災住民の方々が苦しんでいるときに、外食をするなど躊躇するのは確かです。 しかし、外食を控えたら・支出を減らしたら、政府の税収が増えず、復興財源がその分縮小してしまいます。 無用な買い溜めはもちろん控えるべきですが、わたくしたちがすべきことは、節約ではなく、たくさんお金を使い、たくさんのお金を義損金として寄付することです。
 「経済活性化による復興支援」を実現しなければならないのです。

 負けるな日本exclamation×2
posted by かさまつまさのり at 09:41| 日記

2011年03月16日

謹んで震災のお見舞いを申し上げます

謹んで震災のお見舞いを申し上げます
 未曾有の大災害ですが、このような極限の状況下でも、強盗や略奪もなく、手に手を携え、助け合って生きていく日本人の民度の高さに、世界は驚嘆と共に賞賛の声をあげています。 被災現場では、危険を顧みず、一人でも多くの人命を救おうと自衛隊・警察・消防・医療チームの皆さんが、福島原発では日本を救う為に作業員・自衛隊の皆さんが命がけで作業を行っていらっしゃいます。 心より敬意を表します。
 また、難を逃れた多くの国民が、胸を痛め、国のため被災者のために少しでも出来る事をしたいと心から願っていることも、日本国民の一人として誇りに思います。
 喫緊の課題である福島第一原発の冷却と封じ込め等により、二次災害を最小限に食い止めることを期待するものです。
 日本は建国以来何度もこういった国難の中から立ち上がってきました。 今までも、地震が頻発する日本列島で、何度も歴史的な大震災に見舞われ、その度に復興してきました。 我々は必ずもう一度立ち上がれると信じています。
posted by かさまつまさのり at 22:59| 日記

2011年03月14日

負けるな日本!

負けるな日本!

東北地方太平洋沖地震の被災地の皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

津波の脅威は、凄まじい被害を各地にもたらしました。 美しい町並みを誇っていた沿岸の都市が、一瞬にして土砂に埋め尽くされました。 今回の東北太平洋沖地震では、最終的な死者総数が阪神大震災を超す可能性が高いとおもいます。

私たちは、世界に誇るべき国家を作り上げた日本人の子孫です。 今までも、地震が頻発する日本列島で、何度も歴史的な大震災に見舞われ、その度に復興してきました。 世界に比類なき文化、歴史を築き上げてきました。 この震災多き日本を愛してきたのです。 私たちは、これからもこの日本で生きていくのです。

負けるな日本!
posted by かさまつまさのり at 19:48| 日記

2011年03月05日

ワクチン2種を一時見合わせ

ワクチン2種を一時見合わせ

 残念なニュースです もうやだ〜(悲しい顔)

ワクチン2種を一時見合わせ=同時接種後に4児死亡−厚労省

 小児用肺炎球菌ワクチンと細菌性髄膜炎を予防するヒブワクチンの同時接種を受けた子供の死亡例が相次いで報告されたとして、厚生労働省は4日、両ワクチンの接種を一時見合わせるよう自治体などに伝えた。
 同省によると、死亡したのは兵庫県の宝塚市と西宮市、京都市、川崎市の4人で3カ月〜2歳。いずれも両ワクチンや、これにDPT(ジフテリアなど3種混合)を加えた3種類の同時接種を受けた翌日や3日後に死亡した。
 報告した医師は接種と死亡の因果関係を「不明」などとしたが、同省は念のため当面接種を見合わせる必要があると判断。週明けにも専門家を集めた検討会を緊急開催し、検証することを決めた。(2011/03/05-01:30)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&rel=j7&k=2011030500012
posted by かさまつまさのり at 13:33| 日記

2011年02月28日

長寿番組の同窓会

長寿番組の同窓会
         
 昨日は楽しい経験をさせていただきました。 某国営放送の番組収録です。 長寿番組の50周年記念特番で、番組のOB約50名が一同に集まり50周年を祝いました。
 先輩の森本レオさん、近藤芳正さん、後輩の加藤晴彦さん、菜月さん、SKE48で活躍する古川愛李さん、らとともに収録に臨みました。 OBではありませんが、スキマスイッチのお二人のミニライブのおまけつき。
 司会をつとめた菜月さんは、収録直後のブログ
 「収録終わりで、楽屋にてのんびりしてます。 今日はアットホームな感じでした。 なぜなら、みんな繋がってるから…」
 と書いていらっしゃいます。

 そうですね
 「みんな繋がってるから…」
 その通りだと思います。

 正午から午後6時半まで軟禁されたような状態で窮屈ではありましたが、旧友との再会は間違いなくリフレッシュタイムとなりました。
 出演者の皆さま、スタッフの皆さまありがとうございました。
         
 写真は、加藤晴彦さんと。 この番組の後輩でもありますが、実生活では名大附属中の後輩でもあります。 SKE48古川愛李さんらとの写真もあるのですが、承諾を得た加藤さんとの写真だけ。
posted by かさまつまさのり at 15:31| 日記

2011年02月16日

TPP参加でも医療保険制度は維持 経産相

TPP参加でも医療保険制度は維持 経産相

 TPP参加でも医療保険制度は維持 経産相(2011年2月15日 提供:読売新聞)
海江田経済産業相は15日の閣議後の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)に参加した場合の日本の医療保険制度への影響について、「日本の制度は世界に誇るべきもの。米国のように民間保険主体の制度になることはない」と述べ、参加後も現制度が維持されるとの見通しを示した。TPP交渉に参加を目指す9か国はチリで14日から第5回会合を始めており、関税の原則撤廃に加え、保険や金融など幅広い分野の自由化を協議している。このため日本医師会などから、日本の公的医療保険制度の縮小につながるとの懸念が出ていた。

 TPP参加による医療サービスや医療保険に対する影響について、政府の現時点での考え方が示されたことは評価したいと思います。 しかし、アメリカが医療サービスや医療保険について、どのようにTPPと関連付けようとしているのかは気になるところです。 実際TPPに賛成している方々であっても、アメリカの法律サービスや金融サービスが 『一切の障壁なし』 に日本に販売可能となることについては知らないではないでしょうか。
 「総合的な国益」のためにTPPが議論されればいいのですが、現実にはそうなっていないようです。 しかしながら、医療分野だけ 『TPPの例外』 は現実問題として本当に可能ですか ふらふら
posted by かさまつまさのり at 20:48| 日記

2011年02月15日

既存政党の行く末と小沢一郎氏

既存政党の行く末と小沢一郎氏
 名古屋市長・愛知県知事における 「河村・大村連合」 の記録的な圧勝で、「圧倒的な民意」 がしめされました。 しかし、河村劇場はまだ終わったわけではなさそうです。
 3月13日に予定される 「名古屋市会議員選挙」 を控えて民主党市議団は、市会議員の報酬半減(年収800万円)を受け入れることを決めました。 自民党愛知県連では、鈴木政二会長が知事選挙の敗北の責任を取り辞任、執行部も総退陣することになりました。 大村氏の 「現執行部とは話をしない」 との発言が、総退陣の決定的な引き金を引くことになりました。
 愛知県会議員、あるいは新たにの中には県会に挑戦する候補者には、大村氏の 「日本一愛知の会」 に衣替えするものが続出しているそうです。 実際、大村氏自身が現在の会派、党籍にこだわらず「日本一愛知の会」に合流することを勧誘している。
 自民党、民主党などの既存政党はこれからどうなっていくのでしょう?
   
 同様の動きは全国に広がっています。 民主党の原口一博前総務相は、佐賀県内の首長や議員で組織する政治団体 「佐賀維新の会」 の設立構想を明らかにしました。 さらに原口氏は、全国の 「改革派首長」 と連携する政治団体 「日本維新の会」 を設立して、自ら代表に就任する考えを明らかにしています。
 議員は 「落選したらタダの人」 と揶揄されます。 当選するためにはなりふり構わずです。 勝ち馬に乗るというのは戦国時代には当たり前のことだったのだから仕方ないのかもしれない。 『主君への忠義』 などという武士道は秩序が安定した江戸時代の思想です。 春の統一選挙においては、少なくとも既存政党の看板は無力であり、かえって邪魔になっていると考える候補者が多いようです。
 今回の 「圧倒的な民意」 は、社会に対する不満・不安が 「議員の高い年収への不満」 に集中したことにあると私は理解しています。 河村氏は、民衆の不満・不安をうまく利用したと言えるのではないでしょうか。 ある意味 『天才』 です。
 さて、河村氏は2月12日夜、小沢一郎氏が塾長を務める 『小沢塾』 懇親会に出席しました。 小沢一郎氏を嫌う 「民意」 は、はたして小沢一郎と握手する 「河村・大村連合」 を支持するのでしょうか? もしかして小沢一郎が民主党を離党したりすれば 「民意」 は小沢支持になるのでしょうか?
posted by かさまつまさのり at 08:18| 日記

2011年02月14日

「円安」と「日本国民を豊かにするにはどうすればいいのか?」

「円安」と「日本国民を豊かにするにはどうすればいいのか?」

 アメリカは、国策として大量の紙幣を刷りドル安を誘導しました。 日本国内には、対抗して日銀が円を刷りまくり(ついでに日銀が国債を買い上げできるようにして)円高を阻止せよという論調もありました。 円安がが何をもたらすか? 日本の進む道を考える場合、現在の韓国経済は 「日本国民を豊かにするにはどうすればいいのか?」 について、格好の材料を提供しています。
 今日は韓国の話題。
   
 韓国は2008年の危機を乗り越えました。 「グローバル競争志向」「国内の寡占市場化」「通貨安維持政策」「法人税減税」 という、露骨な大手輸出企業主導型の成長路線を用いました。 何やら最近の日本で出ている政策が重なりますが、韓国国内ではどのようなことが起こっているのでしょう。
 驚くべきことですが現在の韓国は、アイスランドなど破綻した特殊な国を除くと、主要国の中で最も実質賃金が下落しています。 韓国の実質賃金下落率は、日本をも上回っているわけですから、半端ではありません。 実質賃金が下落し、通貨安及び世界的なコモディティバブルで輸入物価が上がり、国民の生活水準は着実に落ちていっています。

物価安定へ総力戦・政府が総合対策
http://www.toyo-keizai.co.jp/news/general/2011/post_4263.php
 韓国で年明けから急騰する物価との戦いが始まっている。政府は、物価安定のための総合対策を打ち出し、韓国銀行は金利引き上げのカードを切った。日増しに募る物価不安への懸念を事前に断ち切る狙いがある。だが、牛と豚を200万頭以上殺処分した口蹄疫の被害と寒波も加わり、農畜物価格は依然と高値が続いており、ガソリン価格上昇に歯止めがかからない。物価との戦いは持久戦になりそうだ。政府は先週末の13日、李明博大統領主宰の国民経済対策会議で「庶民物価の安定に向けた総合対策」を発表した。企画財政部など関係省庁が合同でまとめたもので、財政や税制に制裁、行政指導を含む物価安定のための措置が網羅されている。 』
 現在のコモディティ価格の上昇は世界的な現象です。 日本は円高もあって、影響を感じにくい構造ですが、世界中でコモディティ価格の上昇は始まっています。韓国では、李明博大統領が年明けに 「物価との戦争」 を宣言するほど、事態は深刻さを増しているのです。
 実質賃金が下がる中、国内メーカーは寡占化で収益を吊り上げ、さらに通貨安・物価高で生活水準が下がっています。 しかし、ウォン安政策を放棄するれば大手輸出企業がグローバル市場で勝てなくなります。 大手輸出企業がグローバルで戦う限り、何しろ中国などの海外企業と競争しなければならないわけですから、韓国国民の人件費を上げることなどできません。
 現在の韓国は完全に 「グローバル化及び寡占化の罠」 に取り込まれてしまったわけです。
 政治の目的は「国民を富ませること」だと思います。 決して、輸出量を増やすことでも、GDPを大きくすることでもありません。 「国際競争に勝ち抜く」 が達成できたところで、国民の実質賃金が上がらず、雇用が改善されないのでは、意味がありません。
 韓国経済は 「日本国民を豊かにするにはどうすればいいのか?」 について、教えてくれているようにおもいます。
posted by かさまつまさのり at 18:04| 日記

2011年02月08日

脱デフレに銀行資産税導入

脱デフレに銀行資産税導入
 このブログ S&Pの日本国債格下げ その2 で、『バブル崩壊以降、政府の負債が増えると同時に、家計の資産が増えています。 デフレから脱却できないため、政府が景気対策を打ち、支出をしても、それがそのまま家計の資産(主に現預金)として滞留し、銀行の預金残高が増え、相変わらず貸付先がないため過剰貯蓄問題が解決せず、デフレが続き、政府が国債を発行し、銀行が喜んで(低金利で)金を政府に貸し(=国債を買い)、政府が景気対策を打ち、支出をしても、それが・・・・という、悪循環になっているのです。 日本は官民ともに投資不足に陥っています。 銀行の民間に融資しないで国債を買い続ける態度はこの悪循環の元凶です。』と書きました。
 今日は産経新聞の記事『銀行資産税を導入せよ』を紹介します。 まさに、日本のデフレを解決する処方箋です。
         
【日曜経済講座】
編集委員・田村秀男 脱デフレの秘策 銀行資産税を導入せよ(2011.1.16)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110116/fnc11011607370001-n1.htm
 かつて「向こう傷は問わない」と積極融資の檄(げき)を飛ばした故磯田一郎旧住友銀行会長は、90年代初めのバブル崩壊の序奏となった「イトマン事件」の屈辱にまみれた。以来、銀行界の後輩たちはアニマル・スピリット(血気)をドブに捨てた。この20年間、銀行はほんのかすり傷すら恐れるようになり、融資をせずに国債を買い続ける。カネはあり余っているのに流れず、デフレ不況を悪化させている。
 世に無数にある業種の中で、基本的に銀行業ほど楽に儲(もう)けさせてくれるビジネスはない。超低金利で大衆や企業から預金を集められるばかりか、日銀が誘導するゼロ金利の資金を楽々と調達できる。コスト・ゼロに近い資金より大幅に高い金利で運用する特権が認められている。
 一般のビジネスなら中小企業は特に、経営者も雇用者も自分の人生の貴重な時間を切り刻んで人件費や材料費を切り詰め、売価を下げて生き残りを図るしかない。銀行が別格の扱いを受けられるのは、ひとえに「企業・個人・公共部門等に対し必要な資金を供給することにより、経済・社会の健全な発展に資するべき使命を負っている」(全国銀行業協会の行動憲章)からなのだが、そんな社会的責任のかけらはどの金庫にもない。
 ◆「国債投資ファンド」化
 日本の銀行は「国債投資ファンド」と化している。国内の銀行は前年同月比で融資を8兆円前後減らし、さらに10兆円以上増える預金などを全面投入して日本国債を25兆円前後も追加購入している。中小企業向け融資はこの10年間で約60兆円も減らした。ほぼゼロに近いコストの資金を仕入れて、利回り2%強の国債で25兆円を運用すれば、約5千億円の利ざやを収益に上乗せできる。このおかげで国債金利水準は低く保たれ、政府の金利負担は軽く済むので、銀行は国に貢献していると言わんばかりに大手経済メディアが解説する。詭弁(きべん)である。
 まず、国債の買い取りは民間銀行本来の主要業務ではない。個人や機関投資家が買えば済む。あるいは、日銀がお札を刷って買い上げればよい。すると市中に出回るおカネの量が増えてデフレ対策になるのだが、日銀は民間銀行のおかげでデフレ無為で通して平気だ。銀行は国債相場が危ういとみれば、資産の目減りを恐れて今度は愛国者の仮面をかなぐり捨ててさっさと売却するだろう。
 もっと恐るべき落とし穴がある。市場経済というものは、企業が設備投資し、個人が働いて収入を得て消費し、貯蓄する。この資金循環の仲介機能を銀行が受け持っている。民間貯蓄を融資に振り向け、投資や消費を活発化させ、雇用を増やす。ところが現実には民のカネは民に回らず、政府部門に流れてしまい、そこで流れが止まる。首相の主導性が明確で政府がまともに機能していれば、新成長分野に資金が再配分されるはずなのだが、官僚に依存し、口先だけ「政治主導」の菅直人政権の手では「新成長戦略」も画餅同然だ。
 ならば、銀行家に血気を取り戻してもらうしかないが、前述したように、かれらはリスクをとらないことが本懐だと信じているようだ。どうすればよいか。
 ◆「ユーロ」圏は0.2%課税
 ヒントは欧州共通通貨「ユーロ」圏が導入を検討している「銀行税」の導入である。この構想は銀行資産の0・2%を一度限りの条件で課税し、その資金をユーロ相場安定に使うという穏やかな内容だ。日本の場合、円高基調なのだから通貨政策に振り向ける必要はない。脱デフレ策として考えるべきだ。
 銀行はゼロ金利の特権に安住して本来の役割を果たしていないのだから、そのペナルティー(罰)として銀行資産に課税する。資産総額は780兆円程度だから、1%の課税で7・8兆円を確保できる。税率10%なら78兆円にも上る。この資金は銀行による中小企業向け融資の保証財源とする。銀行は融資リスクがゼロになるので、貸し出しに前向きになるだろう。
 貸し出しを一定以上増やす銀行には課税を免除すればよい。すると銀行は貸し出し強化に向けて、組織を立て直し、融資審査部門の人材や情報収集部門を充実させ、本来の銀行業回帰に向かわざるをえなくなるだろう。
 繰り返す。カネはあり余っている。が、動かないのが日本のデフレである。銀行税導入は銀行家を目覚めさせ、カネを回らせ、デフレを治すのではないか。消費増税はデフレを悪化させ、雇用や税収を減らしかねない。脱デフレ策を最優先するなら銀行資産税は論議に値する。


関連記事
 S&Pの日本国債格下げ その2
  http://kasamatsu.sblo.jp/article/43140030.html
posted by かさまつまさのり at 23:13| 日記

2011年02月07日

食料価格指数と「国家体制」

食料価格指数と「国家体制」

気になる報道がありました。
『世界の食料価格が過去最高に』 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110204/t10013849231000.html
FAO(国連食糧農業機関)は、世界の食料価格指数が過去最高となり、今後も高値の傾向が続く見通しであることを明らかにしました。 食料価格の上昇で発展途上国などの貧困層に深刻な影響を及ぼすことも懸念されます。 FAOの食料価格指数は、穀物や食肉、砂糖など主な食料の国際価格から算出しているもので、FAOは3日、2002年からの3年間を100とした指数が、先月は前の月より3.4パーセント上がって231になったと発表しました。 これは、統計を始めた1990年以降、最も高い値となっています。 』 
   
 日本は円高ですから体感はしないかもしれませんが、世界は「工業製品はデフレ、食糧・資源はインフレ」へとすすんでいます。
シンプルに考えれば
 ▽オーストラリアで続く豪雨の被害など、各地の天候不順が農作物の収穫に影響を与えた
 ▽中国やインドなど経済成長を続ける新興国で食料の需要が高まっている
と解釈できます。

 しかし、最近では、食糧価格の上昇は「国家体制」を揺るがすので注意が必要でしょう。 食料価格の上昇が中東地域チュニジアの政変の発端となりました。 また、エジプトの大規模な抗議デモの一因ともなりました。 FAOによれば、食料価格の高値傾向はさらに数か月続く見通しです。 発展途上国などの貧困層に深刻な影響を及ぼすことが懸念されるほか、国によっては今後も反政府デモなどの要因となる事態も予想されます。 心配なことです。
posted by かさまつまさのり at 18:11| 日記

2011年02月05日

斉藤進衆議院議員来院

斉藤進衆議院議員来院
 土曜日の午前診療を終えゆっくりしていると ”ピーンポーン”。 斉藤進衆議院議員の突然の来院でした。 用件はもちろん明日の愛知県知事選挙、名古屋市長選挙のお願いなのですが。 
         
 斉藤進氏は静岡8区選出の民主党衆議院議員。 浜松市中区・東区・南区が選挙区です。 厚生労働委員会委員、消費者問題特別委員会理事などを務めています。
 国会議員が、地盤の選挙区以外の他府県まで遠征しお願い活動とは、、、恐縮でした。
斉藤進語る(youtube)
  http://www.youtube.com/watch?v=EjGeE_KKljQ
posted by かさまつまさのり at 23:00| 日記