2015年06月25日

「医療事故調査制度」

「医療事故調査制度」
 愛知県医師会調査室の任務で、今年10月から始まる「医療事故調査制度」について解説文を書きました。会員向けの定期会報に掲載されます。
 2年ほど前(この制度の検討が始まったころ) 日本独特な『医療事故調』 という記事を書きました。このころの懸念はいまだ払拭されていません。
 http://kasamatsu.sblo.jp/article/68592464.html
 今回の『医療事故調』が、成功するかどうかは『事故の原因究明と再発防止を主眼とし、関係者・個人の責任は問わないのは常識』という原則が守られるかどうかにかかっています。実際、法律・省令・通知の文章は曖昧です。関係弁護士が目的外使用をするなどを行えば、この制度自体が崩壊する可能性もあります。ご遺族の方々のお気持ちに寄り添い事実をしっかりご説明することが大事なのは言うまでもないことです。但し、今「医療事故調査制度」は、「再発を防止し、医療環境を良くする」ためにこれらを切り離した議論が必要なのです。希望を込めて執筆しました。

「医療事故調査制度」 愛知県調査室委員  笠松正憲
<はじめに>
 医療法の一部が改正され、今年10月に医療事故調査制度<以下、本制度>が発足することになった。本制度は「医療に関する有害事象の報告システムについてのWHOドラフトガイドライン」の「学習を目的としたシステム」に準拠した、国際的水準の制度である。
 ガイドラインの大きな特徴は「学習を目的としたシステム」と「説明責任を目的としたシステム」とを切り分けることである。すなわち本制度では医療安全増進の現実化のため、「説明責任」をはじめとする責任問題(刑事責任・民事責任・行政責任・社会的責任など)を完全に切り離す。しかし、間違ってはいけないのは本制度をもって免責とはならないことである。本制度の調査とは別に、刑事告訴がなされる場合もあることは肝に銘じる必要がある。
 マスメディアの多くや一部の事故調関係者はWHOドラフトガイドラインを理解することなく、いまだに「学習」と「説明責任」を一つの制度で実現しようとする『混合型』思考が多いのは残念である。
<医療事故調査制度と医師法第21条>
 医療事故調査制度問題は長年に渡り混乱を極めた。混乱の元凶は医師法第21条の解釈である。1994年日本法医学会が『異状死ガイドライン』を公表し、届け出るべき異状死に「診療行為に関連した予期しない死亡」を含むと記述した。医師法第21条を拡大解釈し、医療事故を対象としたのである。2006年の福島県立大野病院事件(無罪判決)では、医師法第21条による警察への届出義務違反と業務上過失致死罪容疑で医師が逮捕された。治療上における医師の判断や手術法選択にまで捜査当局が踏み込み、医療現場に大きな不安を与えた。
 「警察が医療現場に入ってこないためには何ができるか」との観点で検討されたのが、2008年の「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」である。行政庁が公的な第三者機関(医療安全調査委員会)をつくり、医療機関が機関に届け出ることをもって警察への届出を免除するというものである。しかし、政権交代とも重なり法案は廃案となってしまった。
 本制度は「大綱案」とは全く性格が異なる。まず院内調査を実施するのが特徴である。また、第三者機関(医療事故調査・支援センター)は民間組織であり、医療安全向上を目的に動き警察や裁判とは切り離された仕組みとなる。本制度は医師法第21条とは並列的な位置づけであり、現状ではそれぞれについて要件を検討し届出の必要があることには留意したい。
<医療事故調査制度の施行に係る検討会>
 本制度の詳細を決めるべく「医療事故調査制度の施行に係る検討会」で論点整理が行われた。議論は紛糾し、座長が「取りまとめ」を公表することで最終決着をみた。最も激しい対立が起こったのは「院内調査結果の遺族への説明方法」であった。報告書に再発防止策を書くかどうか、書面で渡すかどうかで対立した。「取りまとめ」では「口頭または書面、もしくはその双方の適切な方法により行う」「調査の目的・結果について、遺族が希望する方法で説明するよう努めなければならない」という玉虫色の表現で決着した。事実上、報告書を書面で渡す形が基本になると想定される。報告書の目的外使用を法では制限できないため、その取り扱いは関係弁護士の良心にゆだねられる。報告書が公表されれば、それが刑事司法捜査のきっかけとなることも危惧される。また、責任追及のリスクがあれば、医療関係者が調査で事実を証言しにくくなることもあろう。医療安全増進という本制度の真の目的が実現されるよう、運用方法についてもきめ細かな目配りが必要である。
<群馬大腹腔鏡事件に学ぶ>
 昨今、群馬大を巡る報道が過熱した。本制度施行前の事件であるが、今制度の運用に対し多くの示唆を与える事件であった。契機は「事故調査委員会」による「腹腔鏡下肝切除術事故調査報告書」の公表であり、マスメディア報道は『混合型』思考一辺倒となった。
 驚くべき稚拙な「責任追及型報告書」である。「〜の可能性があった。〜も検討すべきであった。以上のことから、過失があったと判断される」というように、極めて安易に過失を認定している。事故調査委員会が過失認定をすること、報告書を公表することなどは、「学習」を目的としたシステムではあってはならないことである。
 院内調査報告書作成の難しさも浮き彫りとなった。実際、病院側と現場医療者が共に納得する報告書の作成は簡単ではない。群馬大では、執刀医が反論の上申書を提出後に退職した。過去の事例では、県立大野病院事件(帝王切開手術後に産婦が死亡)、東京女子医大事件(2001年・心臓手術中に女児が死亡)、いずれも病院側が作った報告書が原因となり冤罪事件が起きた。医療者は裁判に巻き込まれる可能性があるにも関わらず、自分を守る術は無いに等しい。医療側弁護士とは通常病院側の弁護士を指すが、病院と現場医療者の対応方針が異なる場合は利益相反があり、医療者の人権は無視されることがほとんどである。
 また、事故調査には専門的なトレーニングが必要であるが、医療機関の医療安全管理担当者は、現状では事故調査の訓練をほとんど受けていない。結局、群馬大幹部は自身のガバナンス不足を、執刀医の首を差し出すことで決着させ、問題の本質をすり替えてしまった。
<まとめ>
 ご遺族の方々のお気持ちに寄り添い事実をしっかりご説明することが大事なのは言うまでもない。但し、今制度は「再発を防止し、医療環境を良くする」ためにこれらを切り離した議論が必要である。
 「事故調査を実施すれば、必ず原因が分かり、再発防止策も講じることができる」と考える患者・遺族は多く、調査には限界があることを理解してもらう取り組みも、各医療機関だけではなく、行政をはじめ関係団体に求められているのではないだろうか。
 制度施行まであと数か月。センターの選定、院内事故調査の支援団体の選定など、残された課題は山積みである。省令・通知では具体的な院内調査手法は示されず、各病院団体が作るガイドラインやマニュアルに委ねられるという。5月末には、日本医療法人協会が「医療事故調運用ガイドライン最終報告書」を公表した。適切な運用ガイドラインの作成も本制度が成功するポイントである。現場を混乱させずに着実な一歩を踏み出すべく、手堅い施行・運用を望みたい。

           
posted by かさまつまさのり at 19:34| 医療

2013年02月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日

「国会版社会保障国民会議」2月20日の資料
社会保障抜本改革の視点 小黒一正一橋大学准教授(PDF)

国会版社会保障国民会議 世話人    
中谷元(自民)河野太郎(自民)木原誠二(自民)
上田勇(公明)大串博志(民主)浅尾慶一郎(みんな)

日 時 平成25年 2月20日(水) 17:00〜
場 所 衆議院第一議員会館1階 国際会議室
講 師 土居丈朗 慶應義塾大学教授
    小黒一正 一橋大学准教授

 国会版社会保障国民会議サイト
 http://www51.atwiki.jp/kokuminkaigi
posted by かさまつまさのり at 23:50| 医療

2013年02月07日

産科医療補償制度

産科医療補償制度
 2009年1月1日以降の出産に対して 「産科医療補償制度」 がスタートしました。 生まれた赤ちゃんが重症の脳性麻痺となった場合、看護・介護に必要な補償金が支給され、第三者で組織した調査機関で 「なぜそうなったか」 を分析してもらえる制度です。
 今までは、不幸にも脳性麻痺が残った場合 「なぜ、こういうことになったか知りたい」 と原因究明を願えば、医療訴訟を起こすしかなかったのです。 裁判を起こしても、敗訴すれば補償金がもらえませんでした。 さらに言えば、裁判ではお互い 「負けまい」 として自分たちに不利なことは言わないので、なかなか真実が出てきません。 結局 「再発防止のためにどうしたらいいか」 という次のステップにつながりませんでした。 今回の制度では、加入施設で出産し補償の対象となれば訴訟手続き無しで自動的に補償金が給付され、原因分析も受けられるようになりました。

 費用の話もしておきましょう。 産科医療補償制度開始に合わせ、出産施設のほとんどが分娩料を3万円値上げしました。 施設は、妊婦ひとりにつき3万円の保険料を払うことになったからです。 妊婦が保険料を負担しているかのようですが、その費用は、最終的には妊婦の入っている保険が負担します。 出産育児一時金が3万円多く支払われるのです。 妊婦の負担額はゼロにということになります。 現在、多額の余剰金が積み上げられ、脳性麻痺を対象とした医療補償制度には3万円も必要ないこともわかっています。

 さて、医療サイドは ”訴訟が激減する” を期待しています。 しかし、紛争の終点となる確約はありません。 アメリカでは無過失補償を貰えば訴訟はできませんし、訴訟をするなら無過失補償は貰えません。 もちろんこの選択は自由である。 ニュージーランドでは、医療過誤は法律で決まった額の補償を受け、訴訟は出来ない。 日本においてニュージーランド形式を採用するのは法的に無理があるという。 アメリカ形式は日本の現行法で可能であるという。 しかし、本制度の設計段階で、日本の法律家が補償金を貰うかわりに裁判を受けさせないというのは訟権の侵害にあたるという解釈をしため、今回の産科医療補償制度では補償金を貰え、克つ訟権を残すという形式になってしまった。 アメリカ形式を採用しなくてはこの制度の本来の意味を成さない。
 調査委員会の医学的判定が医師の過失無しの場合なら、補償金は貰い、あえて訴訟はおこさないだろう。 調査委員会の判定が過失あり、又は過失の可能性も考えられるとの判定を下したとき、補償金を受けた後でもその調査結果が紛争を誘発する可能性が出てくる。 これが証拠をして採用されるとき、医師は極めて不利な立場に立たされることとなる。

 産科医療補償制度が、医療訴訟も医療事故も減らすための保険となれればよいのですが。
posted by かさまつまさのり at 00:06| 医療

2013年02月05日

「大野病院事件」

「大野病院事件」
 先日このブログで、医師法第21条の条文において“異状死”という用語の定義が曖昧であることを書きました。
 医師法21条の矛盾 <その3> そもそも異状死とは?
 http://kasamatsu.sblo.jp/article/61957560.html
 異状死の定義が外科学会と法医学会で異なり、医療現場で混乱が起きているのです。 この“異状死”の解釈が問題で、「大野病院事件」が起こりました。 医師が捜査、逮捕、拘留された事件です。 しかしながら「大野病院事件」って何? という意見も多かったので、あらためてこの事件をまとめ、私が感じるいくつかの問題点を挙げてみたいと思います。
 福島県立大野病院産科医逮捕事件<通称「大野病院事件」>は、2004年12月17日に福島県双葉郡大熊町の福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた産婦が死亡した案件につき、手術を執刀した産婦人科の医師が業務上過失致死と医師法違反の容疑で2006年に逮捕、翌月に起訴された事件です。 結果は、2008年福島地方裁判所が被告医師を無罪とする判決を言い渡し、検察側が控訴を断念し、無罪が確定しました。

<手術経過>2004年12月17日
午後2時02分に麻酔を開始し、帝王切開手術を開始した。
体重3000gの女児を正常に娩出。その後胎盤剥離にうつった。
午後2時50分、胎盤娩出するも、胎盤娩出後も出血が継続。
午後4時35分、子宮摘出に移行し、午後5時30分に完了。
午後7時01分、妊婦死亡を確認。

<手術後の処理>
産婦死亡につき、医師は院長に報告し、医療準則に反する行為はなく通常の病死であり、異状死には当てはまらないと判断して警察署への24時間以内の届け出は行わなかった。

<医療事故調査委員会>
福島県が事故調査委員会を設置した。報告書は2005年3月に作成され、県に提出された。 この報告書は死亡原因に執刀医の判断ミスを認め、@胎盤が子宮の筋肉に付着していることに気付かなかった、A通常使わないはさみを使って切り離した、B大量の出血が続いたのに院内の他の医師に応援を頼まなかったこと、を指摘している。(実際は、県は医療側に過失ありとした上で、医賠責保険で保険会社から遺族への補償支払をスムーズにしようとしたと思われる)

<逮捕と起訴>
前述の医療事故調査委員会報告書がきっかけとなり、メディアで医療ミスと報じられ、警察が捜査に動くことになった。 2006年2月、福島県警は手術を執刀した医師を業務上過失致死と医師法に定める異状死の届出義務違反の疑いで逮捕。 福島地方裁判所に起訴された(3月14日に保釈)。

<裁判>
2008年6月、福島地方裁判所(鈴木信行裁判長)は被告人の医師に無罪判決を言い渡した。福島地方検察庁は控訴を断念し、地裁判決が確定した。
(判決内容 医師法違反部分)
1.医師法21条にいう異状とは、法医学的にみて普通と異なる状態で死亡していると認められる状態であることを意味する。 よって、診療中の患者が診療を受けている当該疾病によって死亡したような場合は、そもそも同条にいう異状の要件を欠く。
2.本件では、前置胎盤という疾病を持つ患者として手術に入り、その手術中に癒着胎盤という疾病が新たに見つかり、それに対する過失のない医療行為を講じたものの、出血性ショックとなり、失血死に至った。 つまり、手術中に見つかった当該疾病を原因とする、過失無き医療行為をもってしても避けられなかった結果であるので、同法における異状に該当するとは認められない。 よって医師法21条違反の罪は成立しない。(事実上、外科学会の異状死定義を取り入れた判決であった。)

<私が考える問題点>
(1)医賠責保険
 当初、医療事故調査委員会は医師の過失を認める報告書を作成し、これが警察の捜査や起訴を招くことになった。 医師の過失を認める報告書を書いたのは、前述のように福島県が遺族への補償支払をスムーズにするためであった。 医賠責保険で保険会社から金を引き出すには、医師の過失が必要だったためという。 この事件をきっかけに、医療においては過失の有無を問わない無過失補償制度が議論されるようになった。 一部ではあるが、2009年に産科無過失補償制度が実現した。 <この産科無過失補償制度についてもいずれこのブログで触れたい>。
(2)医療行為を業務上過失致死罪に問うことの問題
 結果の完全な予測が不可能な医療行為に対して、「結果が予見出来たにもかかわらずそれを回避しなかったこと」を罪とする業務上過失致死罪の適用はナンセンスであると考えます。 これがまかり通るとなれば、出産を始めとしたリスクを伴う医療行為を引き受ける医師は存在しなくなる。 そもそも、医療過誤としての過失を認定することが難しいであろう今回の事例に対して『医師の逮捕』まで行われたことは、臨床医に大きな脅威を与えた。 治療における医師の判断、手術法の選択にまで捜査当局が踏み込んだまさに『事件』である。
(3)異状死の定義
外科学会と法医学会で異なり、医療現場で混乱が起きている。

 当時、産経新聞は「大野病院事件はカルテの改竄や技量もないのに高度な医療を施した医療過誤事件とは違った。それでも警察の捜査は医師の裁量にまで踏み込んで過失責任の罪を問うた」と警察と検察を直接的に批判した。 同感である。 この事件は、特に昼夜を問わず地域医療に貢献していた医師の意欲を低下させ、またリスクに対しての萎縮を招いたと感じます。
posted by かさまつまさのり at 22:50| 医療

2013年02月03日

『医師法20条の誤解』

『医師法20条の誤解』

 在宅看取り現場で高齢者が自宅で亡くなった時、死因が老衰や病気であってもパトカーが来るという困った事態が実際に多発しています。 医師が、がん末期の在宅患者の訪問診療へ正午に出かけました。 その患者が翌日午後2時頃亡くなりました。 死因は誰が見ても明らかなようにがんで何の不審な点もありませんが、訪問に来て気づいたヘルパーが、警察を呼んだため、犯罪を前提とした取り調べが始まってしまったという例です。 警察は医療については基本的に何も分かりませんから、呼ばれたら取り調べするしかありません。 犯罪など起こっていないのに、まったく不思議な話です。 しかし現実には全国でこのような現象が頻発しているのが現状です。

 原因は、医師法20条の「24時間」という言葉の誤解釈です。
(医師法20条)
医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。 但し、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。

 「死亡診断書や死体検案書は、医師が自分の目で見て診断・検案した上でなければ発行できません。 死亡診断書の場合、医師は患者が死亡する場面に常に立ち会えるわけではないので、その場にいなくても24時間以内に診察していれば、死亡診断書を発行できます。 最後の診察から24時間以上経過していても、死亡後に診察を行い死亡確認したら、死亡診断書を書けます」という意味です。 文章としては何も問題はありません。

 ところが、これを「24時間以内に診察していなければ死亡診断書を発行できない」と誤解する人が続出しているのです。 さらには警察に届けるのはなぜでしょう。 条文のどこにも警察なんて書いてありませんが。

 問題は医師法21条です。
(医師法21条)
医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。

「医師は異状死を見たら24時間以内に警察に届けなければならない」というものです。

 近年、医療事故や医療訴訟などが取り沙汰された時期から、この医師法21条が医療者の間で有名になり過ぎたのです。 このブログでも、異状死の解釈で度々言及する法律です。 この法律が有名になりすぎました。 「24時間」という同じ言葉があるものだから、医師法20条該当例まで警察に届けなければならないというように間違って読まれてしまったわけです。 結果的に、「人が家で死んだら警察を呼ばないといけない」という誤解が広がりました。 困ったことに医師だけでなく、看護師や介護職など、看取りの現場にいるスタッフ、さらに一般の人たちにまで伝わっている場合があります。

 厚生労働省から昨年8月、実に63年ぶりとなる医師法20条の解釈通知が出ました。しかし、残念ながら浸透は遅いようです。
posted by かさまつまさのり at 09:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療

2013年02月02日

「先天性風疹症候群」と「ワクチン行政の不備」

「先天性風疹症候群」と「ワクチン行政の不備」
 困ったことがおこっています。 風疹が去年の春以降大流行し、去年1年間の患者数は過去5年間で最も多くなっているのです。 ことしに入ってからも流行は収まらず、先月20日までのデータでも去年と比べ9倍という。
 風疹流行で心配なのは 「先天性風疹症候群」 の発症。 妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんが心臓や耳、目などに障害が出る 「先天性風疹症候群」 になるおそれがあります。 国立感染症研究所によれば、去年10月から先月にかけて大阪、兵庫、埼玉、香川で生まれた合わせて6人の赤ちゃんが 「先天性風疹症候群」 と診断されたということです。
 何とか力ずくでも防がなければなりませんパンチ

 風疹の抗体が十分にない妊婦がいれば、夫を含め家族にも予防接種を受けてもらう必要があります。 風疹患者の8割近くが男性です。 妊婦が夫から感染するケースを防ぐ必要があります。

 なぜ、このような奇妙なことことがおこっているのかexclamation&question
 それは、20代から40代の男性は子どもの頃に風疹の予防接種を受けていないためです。

 日本の風疹ワクチンは1977年から、女子中学生を対象に始まりました。 その後、何度か制度が変わり現在は、一歳と小学校入学前一年の計二回、麻疹と風疹を防ぐMRワクチンを接種しています。
 今年の風疹報告をみると、患者453人のうち350人が男性。 うち20代と30代が6割を占め、女子中学生だけが接種対象だったり、接種率が低かったりした世代と重なります。<実際に、20代後半の男性の10人に一人、30〜50代前半の男性の4人に1人は、風疹への免疫がない。女性も、接種の機会が一回しかなかった20代以上で、免疫のない人が5%ほどいるという。>

 ワクチンは複数回、接種しても大丈夫なので、流行している今年は、妊娠する可能性がある人やその夫などは、免疫(抗体)の有無を検査する手間を省き、接種してもいいと考えられます。ただし女性はワクチン後二カ月間、避妊する必要があります。

 さらに、この問題の奥が深いのは、無料で受けられる接種期間中に、受けていない子が多数いること。 最も接種率が高い1歳児でも、08〜10年度に未接種だった子は全国で計18万人に上るという。 高校三年相当年齢では81万人とも言われます。

 これまで、ワクチンについていろいろ書いてきました(下記参照)。
 ワクチンの話B 必要なワクチンがなぜ任意接種?
  http://kasamatsu.sblo.jp/article/42711098.html
 ワクチンの話A 任意接種は「受けなくていいもの」でしょうか?
  http://kasamatsu.sblo.jp/article/42686373.html
 ワクチンの話@ 予防接種法の法定接種は国民に接種義務はない!
  http://kasamatsu.sblo.jp/article/42644933.html
 
 1948年に予防接種法が制定された当時は、罰則付きの義務接種でした。 刑事罰ですから、要件を満たせば逮捕もできたわけです。 しかしその後、ワクチン接種後の有害事象が、ワクチンによる副作用だと思われ(実はワクチンが原因ではなかったものがたくさんあります)訴訟などの紛争を繰り返してきました。 国家賠償訴訟で国の責任や財政負担を認められることを恐れた国は、国の関与の度合いを減らす政策を考えました。  まず1976年に罰則を廃止。 1994年には義務接種を廃止し、接種対象者の努力規定とそれに対応した市町村等の行政による積極的な勧奨となりました。現在の予防接種法では 「受けるよう努めなければならない」 という努力義務となっています。 国民側から見れば、ワクチンを受けることを強制されないのですから、個々人の判断で決める点では、任意接種とまったく同じとなったわけです。

 このような予防接種法も見直す必要がありそうです。 社会全体のために!
           
posted by かさまつまさのり at 17:43| 医療

2013年01月18日

医師法21条の矛盾 <その2>

医師法21条の矛盾 <その2>

 医師法21条の矛盾 <その1> の続きです。 医療関係の事例との関連を述べる。

 前編で記述した医師法21条も死体解剖保存法も、いま話題となっている医療関係の事例などは想定していない。 いずれも、疫病のような公衆衛生と、殺人のような犯罪を想定して設立された法律なのである。

 平成6年(1994年)、臓器移植法案に関連し、異状死体からの臓器移植の可能性が議論され、日本法医学会が『異状死ガイドライン』を作成した。 このガイドラインには、「異状死の解釈もかなり広義でなければならなくなっている」として、届け出るべき異状死に「診療行為に関連した予期しない死亡、およびその疑いがあるもの」を含めると書かれている。 ここに、医師法21条を拡大解釈して医療を対象とすることが明記されたのである。

 昭和24年、厚生省は ”医療は医師法21条の届け出対象ではない” という認識を示していた。 局長通知で 「死亡診断書は、診療中の患者が死亡した場合に交付されるもの」 「死体検案書は、診療中の患者以外の者が死亡した場合に、死後その死体を検案して交付されるもの」(医発385 医務局長通知)としていた。
 しかし、平成12年(2000年)厚生省はこの認識を覆す指示を出した。 国立病院部政策医療課の 「リスクマネージメントマニュアル作成指針」 において、「医療過誤によって死亡又は傷害が発生した場合又はその疑いがある場合には、施設長は、速やかに所轄警察署に届出を行う。」としたのである。 この厚生省の指導は、そもそもの医師法21条の概念と、次の2点で食い違っている。 @殺人のような犯罪を前提として捜査を行う警察に、厚生労働省が所管するはずの医療の事例を届け出るよう指導したこと A医師法21条では「医師」が届け出るとされているのに、「施設長」が届け出るとしたことである。 さらには、厚生労働省は、死亡診断書記入マニュアル に、「「異状」とは、「病理学的異状」でなく、「法医学的異状」を指します。「法医学的異状」については、日本法医学会が定めている「異状死ガイドライン」等も参考にして下さい。」と記載し、一学会のガイドラインに過ぎなかったはずの法医学会ガイドラインを、厚生労働省の指導としてしまったのである。

 これらを背景として、平成18年、福島県立大野病院の産婦人科医が、業務上過失致死罪及び医師法21条違反に問われ、逮捕された。 この事例では、院長「施設長」が届け出ないと判断し、産婦人科医「医師」はこれに従ったにも関わらず、産婦人科医が逮捕されたのである。

 医師法21条が、現代医療を規定するルールとして機能していないことは明らかである。
posted by かさまつまさのり at 23:00| 医療

2013年01月16日

医師法21条の矛盾 <その1>

医師法21条の矛盾 <その1>

 昔から矛盾を感じていた古き法律 『医師法21条』 について連載でまとめる。

 医師法21条とは、「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。」という法律である。 平成18年福島県立大野病院の産婦人科医が、『業務上過失致死罪』及び『医師法21条』違反に問われ、逮捕されたことは記憶に新しい。 その際にも医師法21条について様々な議論が起こったが、法曹界および医学会の一部を巻き込んだのみで、国民的議論には発展しなかった。

 そもそもですが、医師法の起源はなんと”明治”です。がく〜(落胆した顔) 明治7年(1874年)に発布された医制(明治7年文部省達)に遡る。 当時警察は、内務省の組織であった。 内務省は、警察、衛生、労働、地方自治、土木など、幅広い分野を所管する巨大な組織であった。
 当時の衛生状態を推測するに、疫病・飢饉・殺人等による死体を道ばたに見かけることもおそらく珍しくなく、死亡診断書を書く医師に、疫病・飢饉・殺人等を示唆する「異状」がある死体を見つけた場合は、内務省に届け出る義務を課した。 当時としては、当然の法律であったであろう。 また、疫病・飢饉のような公衆衛生を担う官庁と、殺人のような犯罪の捜査を担う官庁が、内務省という巨大ではあるもののひとつの組織だったため、この届け出制度についても矛盾はなかった。

 しかし、昭和22年(1947年)、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指令により内務省は解体される。 疫病・飢饉のような公衆衛生を担う厚生省と、殺人のような犯罪の捜査を担う警察が分かれてしまった。 しかし、医師法21条は改正されることはなく、異状死の届け出先は警察のままに放置された。
 また、GHQはいわゆる”行政解剖制度”を作った。 「都道府県知事は、その地域内における伝染病、中毒又は災害により死亡した疑のある死体その他死因の明らかでない死体について、その死因を明らかにするため監察医を置き、(中略)解剖させることができる。」(死体解剖保存法第8条)という監察医制度である。 つまり、殺人のような犯罪の捜査のために警察が刑事訴訟法に基づいて行う司法解剖と、疫病・飢饉のような公衆衛生目的で都道府県が監察医を置いて行う解剖(いわゆる行政解剖)が、我が国では明確に分かれた。 所管官庁も、警察と厚生省に分かれており、疫病・飢饉のような公衆衛生目的で異状死体を届け出る場合も、警察へ届け出るという医師法21条そのものが、矛盾をはらむこととなったのである。 そして、今だにそれか改定されていないのである。
<その2へ続く、、、予定>
   
posted by かさまつまさのり at 19:56| 医療

2011年07月30日

「受診時定額負担」に反対!

「受診時定額負担」に反対!
           
 「受診時定額負担」 聴きなれない言葉ですが、病院受診時の負担増の準備が着々と進んでいます。
 中央社会保険医療協議会(中医協)は7月27日に総会を開き、政府・与党がまとめた税と社会保障の一体改革案について議論しました。 議論された題材で注目を集めたのは、外来患者の窓口負担に100円程度を上乗せする 「受診時定額負担制度」。 受診の度に、患者負担割合の3割に加え、100円が徴収されるシステムです。 一体改革案では、この受診時定額負担の導入により、高額療養費()の自己負担の上限額を引き下げるための財源を確保する方向性が示されています。 「受診時定額負担の導入」 については、わざわざ“例えば”とした上で 「初診・再診時100円負担の場合、▲1,300億円」 と違和感を覚えるほどに具体的な数字が示されています。 この定額負担の導入が 「高額療養費見直しの原資1,300億円」 のバーターとして明記されているのです。
 医療の高度化に伴い、がん患者など高額医療を長期にわたって受けるケースが増えているので、その高額な自己負担に対する助成すなわち 高額療養費制度 を拡充し、セーフティーネット機能を強化することは大切なことです。 今回の提案は、”高額療養費の自己負担の上限額を引きさげ”と”窓口負担増”を抱き合わせることで評価をしにくく(反対意見を言いにくく?)しています。 日本の官僚はさすがにうまいですね。
<問題点1>
 第一の問題点は 「患者負担の“新たなルール”の導入」 です。 患者負担割合を現在の3割としたのが2003年(被用者保険の引上げにより一律化)ですが、その時には 「社会保険制度としてギリギリの負担割合でこれ以上の引上げは行わない」 とされました。 しかし今回は、割合の引上げではなく定額負担という形にすり替えて患者負担増の新たなルールを、然るべき場での議論を飛び越えて既成事実化しようとしています。 将来の大きな問題をはらんでいます。 また今回の提案は 「100円負担」 という比較的受け入れやすい提案かもしれませんがですが、早晩 「他にも見直したいモノがあり、何千億かかります。 だから今度は500円負担にして下さい」 となってもおかしくはありません。
<問題点2>
 高額療養費の負担は当然ながら被保険者全体の公平な負担で考えなければなりません。 病院を受診する一部の人(弱者)の負担だけをもってやりくりするというコンセプト自体が、加入者全体の共助という国民皆保険の基本的な概念を大きく突き崩すことになります。

  反対しなきゃ手(グー)  日本医師会は世論でつぶされるといると甘くみているようですが、今のうちから声を上げなきゃいけません。官僚のやりたい放題です。
※ 高額療養費制度
3割の患者負担に所得等に応じた月額上限が設定され、その超過額が保険者から払い戻される仕組み。
posted by かさまつまさのり at 23:05| 医療

2011年06月25日

病院船

病院船
 『大災害が起きるたびに痛感させられるのは、日本には病院船が必要だということである。病院船というと戦争イメージがありネガティブに受け取られそうであるが、実は病院船は災害が発生したときに、緊急医療を供給するアイテムである。近年では2010年ハイチ大地震のとき、アメリカの病院船コンフォートが大活躍したのは記憶に新しい。考えてみれば、戦争はなくとも、四方を海に囲まれて地震や火山の噴火、津波などの災害に定期的に見舞われている我が国が、一隻の病院船も持っていないということは大きな問題と言えるのではないだろうか。』
 私が所属する名古屋市医師会調査室で、『調査室だより』として書いたものです。
         
                クリックしていただくとPDFが開きます
posted by かさまつまさのり at 08:50| 医療

2011年02月11日

ネットで電子カルテ開示

ネットで電子カルテ開示

『ネットで電子カルテ開示、津の診療所が導入 登録患者65人、自宅で確認でき好評』
 自宅で診察データが確認できるインターネットの電子カルテシステムを、三重県津市海岸町の「世古口消化器内科なぎさまち診療所」(世古口健院長)が導入した。IDとパスワードを入力すれば、旅先や出張先の急な病気で医療機関を受診した際、自分のカルテを見てもらえるなどの活用もできるとあって患者らに好評だという。
 システムは、福岡県広川町の姫野病院が開発したネット経由でソフトを共同利用する「クラウド・コンピューティング」を活用する。事前登録した患者は、同診療所のホームページから接続すると、血液検査の結果が再び受診しなくても自宅でデータ内容が確認でき、自分の健康状態がすぐに把握できる。それに診察内容や薬の処方が見ることもできる。また、主治医以外の医師の意見を聞くセカンドオピニオンにも利用できる。
 複数の医療機関がネット回線で、電子カルテなど医療情報を共有するネットワークシステムを導入するケースが増えているが、患者に電子カルテを開示するシステムは浸透していないのが現状だ。厚生労働省医療技術情報推進室によると、電子カルテをネット開示している医療機関は全国的に少なく、「クラウド」による開示は珍しいという。
 2000年6月から先駆的に電子カルテの開示を導入している姫野病院では、遠方に暮らす両親らの健康状態を確認でき、開示の印刷用紙も不要になったと指摘。「カルテを開示することで、医師と患者との信頼関係にもつながっている」と話す。個人情報の安全管理については「万全を尽くしており、これまでに問題は起きていない」という。
 同診療所は一昨年12月に建物の老朽化に伴い、津市大門から移転したのを機に導入を決めた。運用開始は昨年6月から。徐々に利用者が増え、現在の利用登録者は65人。糖尿病や高血圧など生活習慣の改善が必要で、定期通院している患者に利用を勧め、徐々に増えている。患者からは「診察か
ら帰宅後も医師からの生活改善の指示内容が再確認できる」などの声も聞かれるという。世古口院長は「患者がより積極的に健康管理することで、効率的な診察ができるようになった。診察に参加することで、患者とのコミュニケーションにも役立っている」としている。(読売新聞)


 便利である、検査等の重複が防げる、、と良いことはいくらでもあげることができます。 技術的な導入は簡単でしょう。 しかし、個人情報が流出した場合の責任を誰が負うかなど、様々な問題があるように思います。
posted by かさまつまさのり at 22:07| 医療

2011年01月18日

ワクチンの話B 必要なワクチンがなぜ任意接種?

ワクチンの話B 必要なワクチンがなぜ任意接種?

 『ワクチンの話A 任意接種は「受けなくていいもの」でしょうか?』 で、必要なワクチンが定期接種にされず、任意接種のまま留め置かれている現状は、国民の不利益ばかりであることを述べました。 では、なぜ必要なワクチンが定期接種にされず、任意接種のまま留め置かれているのでしょう? 今日はこの話を。

 結論を言うと、法に位置づける定期接種にしてしまうと、賠償金の支払いや接種費用の負担などさまざまな責任を国が持たなければならなくなります。 厚労省にはこれまで、国家賠償訴訟で繰り返し負けてきた歴史があります。 法に位置づけない任意接種に留めておけば、国の関与は限りなく小さく、接種費用の負担を回避することもできます。 「自己責任」においての接種は、国にとって都合がよいのです。
 しかし、だからといって放置していては、国民の不利益が増すばかりです。 このような国の姿勢こそが、日本が 「ワクチン後進国」 となっている大きな要因のひとつです。
 『岡本充功厚生労働政務官と「ワクチン後進国」日本』 で、『ワクチン施策において他の先進諸国から大きく立ち遅れています。 細菌性髄膜炎は、先進国ではいまや 「過去の病」 であり、麻疹にいたっては 「日本は輸出国」 と嘲笑される状況です。』と書きました。 この実情を国は解決する必要があります。
関連記事
 ワクチンの話A 任意接種は「受けなくていいもの」でしょうか?
 ワクチンの話@ 予防接種法の法定接種は国民に接種義務はない!
           
posted by かさまつまさのり at 16:30| 医療

2011年01月04日

ポリオの未承認「不活化ワクチン」取り扱い急増

ポリオの未承認「不活化ワクチン」取り扱い急増
           
 ポリオ(小児まひ)の予防接種で、国内で未承認の「不活化ワクチン」を海外から輸入して使う医療機関が急増しています。 国内で承認されているワクチンより安全性が高いためです。 薬販売業者の取扱量は昨年の4倍になっているそうです。
 このブログでも以前、岡本充功厚生労働政務官勉強会 の記事で、岡本氏自ら自分の名前を使い、厚生労働省より国内ワクチンメーカーに対し、不活化ポリオワクチンの開発促進を要請していることを書きました。 我々医療関係者は長年「不活化ワクチン」が数年後には承認申請される見通しと聞かされ続けてきました。 しかし実際には遅々として進んでいない実態がわかりました。 ポリオワクチンの現状をまとめてみます。

 ポリオは、ポリオウイルスの感染で手足にまひが起こる感染症です。 国内で承認されている現行ワクチンは毒性を弱めたものですが、約200万〜450万回の接種(1人2回接種)に1人の頻度で副作用のまひが起こるとされています。 先進国の多くでは、毒性をなくした 「不活化ワクチン」 が開発され、導入されています。 このため、海外から未承認の不活化ワクチンを独自に輸入して使う医療機関が出始めているのです。

 昨年、現行ワクチンで被害報告が複数あり、親のワクチンへの関心が高まるとともに、ネットを通じた医師同士の情報交換が盛んになりました。 未承認薬の販売会社「RHC USA コーポレーション」日本支社によると、一昨年の販売は899本(1本接種1回分)だった「不活化ワクチン」の取り扱いが、昨年は10月までだけ3658本と4倍以上になっているそうです。

 しかしながら注意も必要です。 不活化ワクチンの接種は、生後2カ月以降3〜4回で費用は高い場合は計3万円。 副作用が出た場合、国の補償制度は適用されません。 それでも接種のために東北、東海地方から上京したり、すでに承認されている韓国に行ったりする人もいるということです。
 患者団体「ポリオの会」では、「親が選択できる環境をつくってあげたい」と、ウェブサイトhttp://www5b.biglobe.ne.jp/polio)で、不活化ワクチンの問い合わせに応じています。

 親が自己責任にもかかわらず安全性の高い「不活化ワクチン」に集まるこの現象をみると、厚生労働行政の不備を感じます。
posted by かさまつまさのり at 20:31| 医療

2010年12月19日

岡本充功厚生労働政務官勉強会

岡本充功厚生労働政務官勉強会
 昨日、厚生労働政務官である岡本充功衆議院議員(写真)の話を聞いてきました。 愛知県医師連盟<医師会の政治団体です>主催で、「民主党医療政策の現状と今後の展開」 と題し、2時間みっちりと現政権の医療政策を勉強させていただきました。 厚生労働省の三役は、細川大臣をはじめ労働分野の方が多く、厚生関係については政務官である岡本氏が一手に担当する形になっています。
         
 今後予算・法案として出てくる内容もありオフレコの部分も多かったのですが、印象に残った点を数点あげておきたいと思います。
 まずはポリオの予防接種について。 日本ではいまだにウイルスの毒性を弱めて作る生ワクチンによるポリオの予防接種を行っています。 弱毒化させてもウイルスそのものはワクチン内に存在しているため、稀に麻痺症状などの副反応が出ることがあります。 さらには、2次的な糞口感染で、被接種者の家族などにもポリオ麻痺が発生することも知られています。 親御さんが、国内で不活化ワクチンを扱っている医療機関を必死に探し、他の県へ通院するという笑えない現実もあります。 岡本氏自ら、自分の名前で厚生労働省より、国内ワクチンメーカーに対して不活化ポリオワクチンの開発促進を要請しているそうですが、上手くいっていないとの事。 我々は、来年早々にも承認申請される見通しと聞いていただけに残念に感じました。
 医師の長時間労働の問題。 岡本氏は、政府の 「労働」 の定義が曖昧であると指摘していました。 「労働基準法」 など立派な法律があるというのに、基本の定義が曖昧だとは!
 桜井充財務副大臣、足立信也前厚生労働大臣政務官、岡本充功厚生労働政務官、地元愛知県選出の吉田統彦衆議院議員といった、若い現役医師が行政に入ることによって、民主党政権では少しずつですが医療現場の意見が聞いてもらえるようになってきていると思います。
posted by かさまつまさのり at 01:12| 医療

2010年11月12日

岡本充功厚生労働政務官と「ワクチン後進国」日本

岡本充功厚生労働政務官と「ワクチン後進国」日本
 先日、厚生労働政務官である岡本充功衆議院議員(写真)の話を聞く機会がありました。 厚生労働省の三役は、細川大臣をはじめ労働分野の方がほとんどで、政務官である岡本氏が厚生関係を一手に担当する形になっています。
         
 その際にも話題になりましたが、現在、厚労省予防接種部会では予防接種の改革にが検討されています。 『半分は国の公費、半分は地方交付税を用いた市町村への補助』 すなわち国民負担ゼロの予防接種のスキームが検討されています。 今日は少し「ワクチン後進国」といわれる日本の現状を書いてみます。
 我が国は 「ワクチン後進国」 と言われています。 ワクチン施策において他の先進諸国から大きく立ち遅れています。 細菌性髄膜炎は、先進国ではいまや 「過去の病」 であり、麻疹にいたっては 「日本は輸出国」 と嘲笑される状況です。
 VPD(Vaccine Preventable Diseases)<ワクチンで防げる疾病>という概念があります。 とりわけ日本では乳幼児期のVPD被害は深刻です。 細菌性髄膜炎と麻疹、水痘の3つの疾病に限っても、毎年数10名の乳幼児が死亡していると推計されます。 VPDに罹患したことによる後遺障害は数百名規模で生じていると推計されており、看過できる状況ではありません。 先にも書きましたが、細菌性髄膜炎はいまや世界では 「過去の病」 であるにもかかわらずです。
 予防接種の恩恵は 「疾患に罹患しないこと」 であり、VPD被害を防ぐことです。 不幸なことですが、日本国内では予防接種はその恩恵の大きさに反し、恩恵そのものがニュースとなることは殆ど無く、一方で、接種後に起きた変化、すなわち『接種後有害事象』は、その原因が予防接種やワクチンにあるかどうかを問わず、衆目を集めることとなっています。 『有害事象』 とは、接種や服薬後に見られた総ての“悪いこと”の総称です。 この中にはワクチンや薬による真の副作用と、偶然起こった別の原因によるニセの副作用の両者が含まれています。 日本では有害事象の総てが真の副作用と誤解されています。 犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛めばニュースとなるのです。
 ワクチンには大変稀ですが真の重大な副作用が存在しますが、メリットが大きくデメリット上回るから、世界中で、国によっては強制接種にしてまでも、推進してきたのです。 最後に国立感染研究所情報センター長の岡部信彦先生の文章を記述します。
最も副反応発生頻度が高い麻疹ワクチを200万人に注射すると(確率的に)ワクチンと関連が疑われる死亡者が1人出る。 しかし、それを恐れて予防接種を受けないと200万人の患者中2千人が死亡する。 副反応が出てよいわけではもちろんないが、予防接種自体をやめてしまってはいけない
まさにこれを国民が知るべきなのです。
posted by かさまつまさのり at 20:02| 医療

2010年10月23日

シンポジウム「がんになっても安心な街づくり」

シンポジウム「がんになっても安心な街づくり」
         
 NPO法人ミーネットが主催するシンポジウム 「がんになっても安心な街づくり」 が私の母校名市大で行なわれました。 上田龍三名古屋市病院局長をはじめがん治療のエキスパートによる講演とパネルディスカッションが行なわれました。 日本医療政策機構がん政策情報センター所長の埴岡健一氏は講演の中で、 「がん対策を推進するため、議員立法でがん対策基本条例を成立させてはどうか。」 という斬新な提案をしました。 横井名古屋市会議長・藤田名古屋市会議員らをはじめ多数の名古屋市会議員、愛知県会議員が参加していましたが、会の休憩時間には 「超党派で議員連盟をつくろう!」 と盛り上がっていました。 是非研究を進めていただきたいと思います。 なお、名古屋市で 「がん対策基本条例」 が制定されれば、政令市初となるそうです。
 「名古屋市がん相談情報サロン・ピアネット」 http://www.tokai-medi.co.jp/pianet.html
         
 主催された花井美紀ミーネット理事長とは以前横井名古屋市会議長の市政報告会で知り合いました。 花井氏はがん患者サポート活動をおこなうNPO法人ミーネットを運営され、 名古屋市と協働でがん患者さんの情報収集と交流の拠点 「名古屋市がん相談情報サロン・ピアネット」 を開設され、地域密着のがんサポート活動に取り組んでおられます。
 私たちの街のがんへの取り組みについて考えさせられました。 有意義なシンポジウムでした。
posted by かさまつまさのり at 23:00| 医療

2010年03月21日

村唯一の医師辞意

村唯一の医師辞意
         
上小阿仁唯一の医師辞意(読売新聞)
 1通の辞職願で上小阿仁村が揺れている。村唯一の医療機関「上小阿仁村国保診療所」に勤務する有沢幸子医師(65)が「精神的に疲れた」と先月下旬、突然、退職表明し、61年ぶりの無医村になる可能性が出てきたのだ。関係者は必死の慰留を続けているが「辞職の意思は固い」という。休みは20日に1回という激務に耐え、地域医療を支えてきた有沢医師に何があったのか。
■村の神様
 「死に水を取ってもらえた」「こんなに話しやすい先生は初めて」。村を歩くと村民から、有沢医師への感謝の言葉が聞こえて来る。有沢医師は昨年1月の赴任以来、午前8時30分-午後5時15分の定時診療のほか、早朝や夜間の往診も自発的に続けている。
 脳梗塞(こうそく)で倒れた母(88)の看病を続ける小林ユミ子さん(66)の元にも、有沢医師は診療時間の合間を縫って連日訪問。今月8日の流動食開始日には3度往診し、「鼻から胃へ液体を落とすのよ」と優しい口調で説明を続けた。
 小林さんは「分からないことは丁寧に教えてくれる。有沢先生は私たちの神様なんです」と話す。
 斉藤ヒサコさん(70)は昨年3月に他界した義理の母(享年92歳)に対する有沢医師の献身的な診療が忘れられない。
 ふりしきる大雪の中、深夜の午前1時でも3時でも容体が悪化すると点滴や酸素ボンベを持って夫と駆け付けてきた。嫌な顔一つせず、「少しでも休んで」と家族をいたわってくれた。
 「息を引き取る瞬間まで、『ばぁちゃん、早く元気になれ』と声を掛け続けてくれた。先生が居なくなったら私は生きていけない」と斉藤さんは声を絞り出した。
■心に傷
 辞意を表した理由を有沢医師は公にしないが、小林宏晨村長(72)は「言われ無き中傷により、心に傷を負わせてしまったことが最大の原因」と語る。
 村幹部らによると、有沢医師は昨秋、診療所向かいの自宅に「急患にすぐに対応できるように」と自費で照明を設置。だが、直後に「税金の無駄使いをしている」と言い掛かりを付けた村民がいたという。
 また、昼食を食べに行く時間が無く、診療所内でパンを買った際、「患者を待たせといて買い物か」と冷たい言葉を浴びせられたり、自宅に嫌がらせのビラがまかれたこともあったという。
 昨年、有沢医師の完全休診日はわずか18日。土日や祝日も村内を駆け回り、お盆期間も診療を続けた。しかし、盆明けの8月17日を休診にすると「平日なのに休むとは一体何を考えているんだ」と再び批判を受けたという。
 診療所の小嶋有逸事務長補佐(60)は「こんなに身を粉にして働く医師は過去に例が無い。無医村になったら村民が困る。自分で自分の首を絞めている」と憤る。
■翻意なるか
 村は、有沢医師の負担を軽減するため、土曜日の完全休診制や村の特別養護老人ホームへの往診免除などを申し入れ、交渉を続けているが結果は芳しくない。
 村民の中には有沢医師に「辞めないで」と懇願するために受診する人もいる。署名活動の動きもあり、旅館経営の高橋健生さん(62)は「一人でも多くの声を伝えなければ手遅れになってしまう」と話す。
 有沢医師は兵庫県出身で、海外や北海道の利尻島などで診療に携わった経験がある。村へは夫と共に移住した。有沢医師は後任が見つかるようにと辞職日を来年3月末にした。だが翻意しなければ、村は2-3か月後に医師募集し、後任探しをしなければならない状況に追い込まれる。
 小林村長は「一部の不心得者のために人格も腕も一流の医師を失うのは不本意。医師不足は深刻で、無医村になる公算は限りなく大きい」とため息をつく。


 考えさせる事例ですね。 ただ、過疎村の特別な事例としてではなく、厚生労働省の考える医師像にも関わる問題でしょう。 4月から、診療所も電話24時間対応をさせようとしています。 患者医師間の信頼関係を大切にする考えを持ってほしいと思います。
posted by かさまつまさのり at 08:49| 医療

2010年03月09日

膨大な社会的経済的ムダと現場混乱まねく明細書発行の義務化

膨大な社会的経済的ムダと現場混乱まねく明細書発行の義務化
是非一読願いたい文章です。
     ↓
政策部長談話「膨大な社会的経済的ムダと現場混乱まねく明細書発行の義務化 医療は商品購入ではない 保険者のレセプト開示で、問題は解決する」 神奈川県保険医協会 政策部長 桑島政臣
 http://www.hoken-i.co.jp/outline/h/post_407.html
 その理由として医療の透明化、薬害・医療事故の資料などが挙げられているが、これらは根拠が乏しく不可解な点も多い。しかも、いたずらに医療機関の費用負担・事務負担を課すばかりか、合理性や整合性のない診療報酬点数の仕組みや「用語」の説明を医療機関に強いるものとなり、無用なトラブルが医療現場で多発する懸念が大きく、撤回すべきだと考える。・・・・・・・・・そもそも、医療は必要に応じて提供される性質のものである。よって健康保険で「現物給付」としており、その提供は実は保険者に義務付けている。そして保険者は全医療機関へ医療提供を委託する保険契約を都道府県を通じ包括的に結んでおり、医療機関は医療提供の対価を公定価格の診療報酬として保険者に請求、保険者が対価を支払うという関係性にある。窓口負担(「一部負担金」)とは、保険者が支払う対価の一部を、患者から医療機関が代理受領をしているに過ぎないのである。つまり、医療現場での領収証は、金額領収の意味以上のものではない。いわんや市場での商品購入における領収証とは性質が全く異なる。当然ながら商行為ではないゆえに窓口負担は印紙税法や消費税法の対象ではないのである。・・・・・・・・・患者にこの保険者支払いの便法、診療報酬の明細が明らかにされても、用語も仕組みも理解できずに疑問が生じ、説明を求め窓口が混乱することは火を見るより明らかである。・・・・・・・・・今回の領収明細書の全患者発行は、別な意図も見え隠れする。中医協に出されている雛型は、「領収証」と「診療明細書」の2枚出す形とされており、後者は「診療報酬明細書」ではなく「診療」の明細書であり、多くの患者の誤解を招く。いずれ患者要求をカルテの無料開示までつなげていこうという深謀遠慮さえ感じる。事実、全患者発行の推進派の支払側委員が、トヨタ記念病院の例(自動入金機の画面で領収明細書の要・不要が選択できる)を不用意に出したことをめぐり、会議後に医療課長が詰め寄り抗議したことが報じられている。また窓口混乱による、患者数の抑制、制限に向けた高等戦略というようにも見える。以上、領収明細書の発行は、社会的経済的なムダと現場混乱を招くことが想像に難くないにもかかわらず強行しようとしており、社会実験のきらいが大きい。改定検証部会で検証すると中医協は悠長な構えでいるが、即刻、撤回すべきである。改定骨子へ寄せられたパブリックコメント2,983件のうち、領収明細書発行に賛意を示す意見は10件にすぎず、国民の関心事にはなっていない。過ちは改めるに如かず、良識を求めたい。

 オンライン請求が義務化になるといわれ、百万以上のレセコンを買わされた。 政権が変わったとたん、義務ではなくなった。 早く対応したものが 『馬鹿をみた』 もうやだ〜(悲しい顔) 
 2月末に突然 『4月1日から明細書の発行を義務化する』 と。 医者でさえ十分に説明できない未整理状態である診療報酬項目を現場の責任で開示しろと。 4月からの窓口の混乱は目に見えるようである。
 我々は、病気を治すために診療をしているのであって、明細書等の書類を作るために診療をしているのではない。 これ以上、医者と患者の関係を悪くするような介入はしないでほしい。
 しかし、我々保険医はお上に従わなければならない。 開業医も本当につらいものです ふらふら
posted by かさまつまさのり at 15:43| 医療

2010年02月22日

女性医師が出産後も働ける環境を―福島少子化担当相

女性医師が出産後も働ける環境を―福島少子化担当相

女性医師が出産後も働ける環境を―福島少子化担当相
 福島瑞穂少子化担当相は2月20日、「新政権の少子化対策と医療における人材育成について」をテーマに日本小児医療政策研究会で講演し、女性医師が出産・育児後にも継続して働ける環境の整備が課題との認識を示した。
 福島担当相は、女性医師は増加傾向にあり、20歳代では産婦人科医の69%、小児科医の49%を女性が占めるが、出産後の継続就業や育児後の現場復帰が難しいと指摘。これらができなければ、医師不足がさらに進む恐れがあるとして、▽院内保育や子育て相談を充実▽出産・育児などにより離職している女性医師の復職支援のための都道府県の窓口の設置などを支援―などの対応例を示した。
 また、社民党の「産声の聞こえる街づくりプロジェクトチーム」で、全国各地の病院を視察した経験を踏まえ、年間2200億円の社会保障費をカットし続けて医療費を削減してきた結果、自治体病院などが疲弊していると指摘。「政治がそういうところを応援しなければならない」との認識を示した。 キャリアブレイン


 現職の女性大臣からすばらしい発言がなされました。 私も3年前、所属する愛知政治大学院で  『医療の原点を考えた改革を〜医療現場より医療政策提言〜』 と題し、論文を書きました。 要旨 → 子供を生みやすい、育てやすい環境として、産科、小児科の充実は必須である。 女医の医師全体に占める割合は15.6%にすぎないが、産科で20.6%(40歳未満で42.2%)、小児科で30.7%(同40.6%)である。 仕事と子育ての両立が困難で離職する女医は多い事は大きな問題である。 女医が仕事と家庭を両立できる環境の整備は医師不足対策の重要なポイントといえよう。 医師不足解消策として休職女医の有効活用を提言したい。 「女性医師バンク事業」の育成及び活用である。 復職したい希望を持つ女医が、パートタイム勤務など就労希望条件を登録して、条件にあう医療機関を選定しやすくする事業、それが「女性医師バンク」である。 さらには、女医2人で1人分の仕事を分け合う働き方<ワークシェアリング>も検討に値するのではないか(日本では社会保険などの保障や給与体系の抜本的な変革が必要であるが)。
 ゆっくりではありますが、3年前の提言の方向に進んできているようです。 医学部の定員を増やしても、卒業まで6年、実際に戦力となるのは10年後です。 それに期待していては遅いのです!
posted by かさまつまさのり at 22:31| 医療

2010年02月11日

診療所再診料引き下げに思うこと

診療所再診料引き下げに思うこと

 昨日の診療所再診料引き下げの報を聞き、全国の多く開業医は、今までの地域医療への貢献はなんだったのか? 今後診療所経営はどうなるのか? と意気消沈であったことは間違いありません。
 与党3党は政権合意で 「医療費(GDP比)の先進国(OECD)並みの確保をめざす」 とうたったにもかかわらず、10年度の診療報酬改定率は実質ゼロ。 薬価を引き下げて確保した入院や外来の増額分は4800億円にとどまりました。 その中で、再診料などの外来には400億円しかあてないという異例の枠をはめました。 この結果、病院の再診料を増額する一方で診療所の再診料を減額するという苦渋の判断に追い込まれました。
 中医協の中では、病院が600円、診療所が710円という再診料の格差をなくして統一すべきだという議論がありました。 しかしこの格差は、 「病院は入院を、診療所は外来を重点的に評価する」 との名目で病院の再診料を低く抑えてきたことが原因です。 危機的状況にある病院の再診料を大幅に引き上げるのは当然ですが、診療所の再診料を減額する理由にはならないはずです。
 診療所にも事業税をかけるという話がまた再燃してくるでしょう。 医師優遇税制<断っておきますが適応を受けるのは5000万以下の診療所のみで、さらには低税率の恩恵を受けるのは1000万程度の零細診療所のみです。>の見直しも行われるでしょう。 間違いなく診療所の大量倒産(廃業)が起こります。
 鳩山政権は 「医療・介護の再生」 を訴えた政権公約に立ち返り、診療報酬の大幅アップに踏み出すべきです。
posted by かさまつまさのり at 22:13| 医療